二つの五稜郭記念入場券
一般的に「五稜郭」と聞くと北海道函館市にある五角形の城跡を思い浮かべるかと思います。「五稜郭」のそもそもの用語の意味は函館の固有名詞ではなく、星型(五角形)の西洋式城郭のことを表します。
日本には「五稜郭」が2つあります。一つは函館の五稜郭で、もう一つは長野県佐久市にある龍岡城(跡)です。いずれも江戸時代最末期に竣工しました。函館の五稜郭は明治維新の際の箱館戦争の戦場となり、龍岡城は明治に入ってすぐに取り壊されています。よって、いずれも城として機能した年数はわずかです。
昨年7月から今年3月末までJR北海道函館支社とJR東日本長野支社が連携し「二つの五稜郭」として、函館線・五稜郭駅と小海線・龍岡城駅の記念入場券を発売していました。入場券は2枚セットで、五稜郭が320円で函館・五稜郭駅で発売、龍岡城が280円で佐久平・中込・臼田駅で発売となっていました。龍岡城駅は無人駅のため発売はありませんでした。
入場券の内訳は通常のB型硬券と平面図を模したD型硬券の2枚セットでした。
(五稜郭駅)
(龍岡城駅)
私は五稜郭駅の分を函館駅で、龍岡城駅の分を中込駅で購入しました。函館駅の方はかなり写りが悪いですが、いずれもダッチングがありました。片方の駅で両駅分をセットで購入できればラクだったんですが、政治的に(?)そうはいかなかったようです。JR北海道の一部駅では記念用途で硬券入場券を発売しているのでそれほど珍しさは感じませんでしたが、JR東日本での硬券は珍しいです。
また、購入時には4枚の入場券がセットできるA4サイズの台紙が貰えました。内面下部に購入した入場券を収納するポケットがあります。JR北海道・JR東日本それぞれで同じデザインのものが貰えたので、入場券1セット(4枚)に対して台紙が2枚ある状態です。
JR7社(旅客6社+貨物)はもともと国鉄という巨大な一つの企業体でしたが、分割・民営化後はそれぞれが独自色を強めています。「青春18きっぷ」「フルムーンパス」、大型観光キャンペーンである「○○ディスティネーションキャンペーン」など国鉄時代からずっと続いているものはあるものの、会社間で連携して何か新しいことをやろうという機運は年々希薄になっている印象を受けます。
「二つの五稜郭」での連携は会社間と言うよりは下部組織の支社間どうしの連携かもしれませんが、それでも最近では会社間をまたがる連携は珍しいなと感じました。
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