浜工新幹線
「新幹線なるほど発見デー」は毎年7月下旬に開催されるJR東海浜松工場の一般公開です。JRの工場や車両センターの公開はさほど珍しくありませんが、土日2日間開催されるのはここぐらいだと思います。
「浜工新幹線」とは「なるほど発見デー」の際に新幹線車両で浜松工場へ直接乗り入れる団体専用列車のことです。土日両方運転されます。乗車するには専用のパックツアーを購入する必要があります。工場に新幹線車両で直接乗り入れること自体が珍しい上に、一般客より早く入場できるため、ドクターイエローの撮影や「空飛ぶ新幹線」と銘打った車体吊り下げなど人気の高いイベントは一足先に楽しむことができます。
毎年あるイベントだったので優先順位は低かったんですが、浜松工場での車両検査方法見直しに伴って、新幹線の車体吊り下げが昨年で最後とのことだったので、名古屋からのJR東海ツアーズのパックに参加しました。
浜松工場への引き込み線は浜松駅の豊橋寄りから分岐しています。そのため、浜工新幹線は新大阪始発のみです。また、浜松駅までは行きません。個人的にはきっぷ(乗車票)の着駅はそれでも「浜松」になるのか、それともイレギュラーとして「浜松工場」になるのか、手前の「豊橋」になるのかが興味の対象でした。
乗車票はこのような乗車券と指定が一体になった常備券で、着駅はやはり豊橋になっていました。指定は「ひかり490号」という時刻表には掲載されていない列車名になっていました。
乗客の大半は子どもがいる家族連れで、その中に鉄ヲタ少々といった感じでした。そして、ほとんどきれいに埋まっていて、人気の高さが伺えました。
名古屋駅を発車した列車は途中急病人の発生というアクシデントがあったものの、豊橋駅に時間通りに到着しました。数分停車してから浜松方面に向かい、やがて「浜松駅上り2番線」という浜松駅の手前の上り線から分岐する線路上に停車しました。その間、車内では乗車証明書の配布と現役の車掌によるクイズ大会が行われていました。
(西伊場第一踏切を通過)
停車中に本線の運転士から構内運転士に交代しました。10分ほど停車したのち、時速30Kmでゆっくり進みました。新幹線の車両に乗って時速30Kmで移動する機会はあまりありません。途中、東海道新幹線唯一の「西伊場第一踏切」を通過し、浜松工場に進入しました。16両編成がゆっくり進むので、相当な時間踏切の遮断機は下りていたことになります。
さらに工場構内は時速5Kmに制限されているため、さらにゆっくりゆっくり進み、発車してから20分ほどかけて工場内に到着しました。降りるのは最後尾の1号車からだったので多少時間を要しましたが、一般客は10時から入場するところ、9時40分頃には入場できました。
気になるきっぷの扱いですが、車内での確認はなかったように思います。また、積極的に回収はしていませんでしたので、大半の乗客がそのまま持ち帰ったと思います。ただ、テーブルを出して希望者に対しては豊橋駅の無効印を押していました。こういうところは妙にきちっとしている会社だなと感じました。
「空飛ぶ新幹線」は思った以上に迫力があって楽しめました。これまで車両工場で車両がクレーンで吊り上げられる様子はJR西日本の金沢総合車両所(松任工場)や東武の南栗橋車両管区など何度か見たことがありましたが、いずれも在来線でした。新幹線は車体が大きいだけに迫力が違うなぁと実感しました。最後の最後に行けてよかったです。もう実際には見られませんので、興味がある方はYouTubeなどで探してみてください。
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