スーパー早特きっぷ
JR西日本ではe5489会員限定で新大阪・新神戸~小倉・博多間で「スーパー早特きっぷ」を発売しています。4区間とも10000円という破格の安さです。e5489はクレジットカードさえあればだれでも無料で会員登録ができ、エクスプレス予約のように特定のクレジットカードに入会して登録する必要はありません。いわば「スーパー早特きっぷ」はクレジットカードさえあれば誰でも購入できるきっぷです。
ただし、当然の如くいろいろと制限があります。この区間で発売されている代表的なきっぷごとに特徴を以下に纏めました。この価格は「のぞみ」・「みずほ」利用の通常期でのものです。「4枚きっぷ」というのは「山陽新幹線4枚きっぷ」のことです。
新大阪~博多 新神戸~小倉 変更 購入期限 乗り遅れ時
正規運賃 14890円 13730円 1回可 直前 後続可
新幹線回数券 12900円 12900円 1回可 直前 後続可
4枚きっぷ 13100円 12900円 1回可 直前 後続可
EX予約 11940円 11720円 何回でも可 直前 後続可
おでかけ早特 11650円 11650円 何回でも可 3日前 不可
スーパー早特 10000円 10000円 不可 14日前 不可
発売席数に制限があることはもちろんですが、購入後の変更は一切不可です。使わなくなった場合は所定の手数料を払って一旦払い戻すしかありません。しかも購入期限は乗車の14日前で、乗り遅れた場合は無効です。でも、他のきっぷより格段に安いです。新大阪~博多間は正規の約3分の2の価格です。
(A券:乗車券部分)
(B券:特急券部分)
このきっぷは私が手配したものですが利用したものではありません。券面の上には「スーパー早特きっぷ(ネット割)」と印字されており、乗車券部分がA券、特急券部分がB券となっています。乗車券は正規運賃と同額で、特急料金で発売額を調整していることがわかります。乗車券部分が「企画乗車券」になっているのは目につきます。乗り遅れた場合利用不可なのに「4日間有効」というのは紛らわしい感はあります。
GWの予定がほぼ決まっていたので、このきっぷを手配しました。混雑が予想された最終の「みずほ」でしたが、思いのほか取れてしまってびっくりしました。
【ひとこと】
このきっぷは昨年から就航したLCCのピーチ対策と見ています。安さでは敵いませんが、購入期限が早かったり、購入後の変更不可である代わりに料金を大きく割り引くといった点は航空券の世界ではごく一般的なものです。変更ができず乗り遅れ時は無効になるのでビジネス用途には向きませんが、日程が確定しているのであればよいかと思います。
なお、7月20日利用分から新大阪・新神戸~熊本・鹿児島中央間が追加で設定されており、JR九州内でも受取ができるようになっています。GWやお盆の超繁忙期でも使えるので、帰省にも便利だと思います。
使い勝手…★★☆☆☆
お得感…★★★★★
当日発売…なし(14日前まで)
小児用…あり
このきっぷですが、乗り遅れ時は乗車券のみ有効となり特急券を買い直すことで新幹線に乗車出来ます。その際は4日間有効というのが効いてきます。
A券の券面にある「B券以外の料金券併用不可(別途乗車券要)」と矛盾していますが、JR西日本のウェブサイトにも乗り遅れ時の扱いが記載されています。
今出川さんがお書きになった表は以下となると思います。
スーパー早特/10000円/10000円/不可/14日前/乗車券のみ有効
http://www.jr-odekake.net/goyoyaku/campaign/s-hayatoku/
このページの内容も滅茶苦茶で、特に以下の3点は互いが完全に矛盾した内容を書いています。
●セットで発売する片道乗車券【A券】と新幹線特急券【B券】を同時に使用する場合に限り有効です。「スーパー早特きっぷ」以外の乗車券や特急券等と組み合わせて使用することはできません。
●ご予約いただいた列車・設備以外はご乗車になれません。ご予約いただいた列車・設備以外をご利用になる場合は、改めて所定の乗車券・特急券をお買い求めいただきます。
●指定列車に乗り遅れた場合は片道乗車券【A券】のみ有効です。指定列車以外の新幹線にご乗車の場合は、改めて特急料金等が必要になります。後続列車の自由席にもご乗車いただけません。
乗り遅れ時に救済措置があるのは乗客寄りで良い事ですが、券面にそのことは一切記載されていません。
特に「B券以外の料金券併用不可(別途乗車券要)」とあるにもかかわらず、乗り遅れ時に別途特急券を買えば後続の列車に乗れるというのは絶対に読み取れません。
乗り遅れ時は乗車券を含めて無効となる、と誤解させて改めて購入させることを狙っているのか……?と伺った見方をしてしまいたくなる酷い書き方と思います。
投稿情報: ひかり | 2013年7 月 4日 (木曜日) 02時34分
①ご予約いただいた列車・設備以外はご乗車になれません。ご予約いただいた列車・設備以外をご利用になる場合は、改めて所定の乗車券・特急券をお買い求めいただきます。
②指定列車に乗り遅れた場合は片道乗車券【A券】のみ有効です。指定列車以外の新幹線にご乗車の場合は、改めて特急料金等が必要になります。後続列車の自由席にもご乗車いただけません。
私は①の説明だけ読んで乗り遅れ時の利用は「不可」と解釈しましたが、②の説明まで読むと乗り遅れ時は乗車券のみ有効という解釈になりますね。確かに券面やネットでの説明は不親切で誤解を与える感じはします。
投稿情報: 今出川 | 2013年7 月 6日 (土曜日) 01時46分
四設定とも同一金額で有りながら、実際の切符は運賃部分が無割で、料金部分で調整を行っているってのが興味深いですね。
これでいくと、距離の長い方の料金をより安くせざるを得ない。
単駅指定にすると、それはそれで旅客に分かりづらいでしょうし。
特定都区市内に他社を包含する東海と西日本は、こういう時に厄介だなー、と感じちゃいます。
その分、乗り遅れても運賃部分は有效だよー、にしているのかも知れませんけどね。
投稿情報: 三階 | 2013年7 月 7日 (日曜日) 09時22分
個人的には小倉・博多は単駅指定になっても仕方ないと思ったんですが、そこはJR九とうまく調整したんでしょう。このきっぷは鹿児島線・折尾まで使用しているので市内制度のメリットを享受できいます。
JR西は「片道10000円」と発売額を前面に出しているので、帳尻を合わせるために特急料金で調整してるんだと思います。大阪市内~福岡市内の運賃は9350円ですから、スーパー早特の新大阪~博多の特急料金はわずか650円という計算になりますね。
片やJR東は「トクだ値35」みたいに割引率を前面に出しているので、運賃+特急料金の合算に割引率をかけてやればすみます。その代わり繁忙期や閑散期で値段が微変動しますので、利用者的にちょっとわかりにくいことがあります。
投稿情報: 今出川 | 2013年7 月10日 (水曜日) 16時47分
このきっぷですが、乗車券の設定区間も新大阪(市内)→博多(市内)と固定されていると思いきや、そうでもないようです。
例えば、和歌山→博多をe5489で検索してもスーパー早特きっぷを選択できます。
乗車券は無割引で特急券のみ割引という仕組みですが、新大阪~博多10000円が前面に出過ぎてあまり知られていないのかもしれません。
投稿情報: 鉄道部長 | 2013年7 月11日 (木曜日) 22時36分
そうなんですか。以前使用した熊本~新大阪間の「e早特」も乗車券とのトータル金額ばかりが強調されていて、乗車券と特急券が分離できるのを知ったのはe5489の予約画面でのことでした。
「スーパー早特」も乗車券が固定でないのは幅が広がって有難いですが、もう少し親切に説明してくれてもいいように思います。
投稿情報: 今出川 | 2013年7 月15日 (月曜日) 23時28分
乗車券を定価販売にしているのは、北九州市内や福岡市内でJR九州に一定額を分配するための根拠となる金額なので、いじれなかったからでしょう。
投稿情報: hoge | 2013年9 月 5日 (木曜日) 06時02分
いつも楽しく拝見させていただいております。
このスーパー早特きっぷですが、いつの間にか券面の
「途中入出場不可」がなくなっています。
odekake.netの案内からも、広島等途中駅からの乗車はできない旨の記載が消えています。
内方乗車ができるとなると新大阪~新山口とか岡山~博多のような区間でもメリットがありますね。
投稿情報: Dr.K | 2014年4 月10日 (木曜日) 23時26分
>●ご予約いただいた列車・設備以外はご乗車になれません。ご予約いただいた列車・設備以外をご利用になる場合は、改めて所定の乗車券・特急券をお買い求めいただきます。
これは、指定した時間よりも前の新幹線の自由席に飛び乗ることをイメージしているのかなと思いました。
行間を読み取らないといけないような説明書きなんて全く役に立ちませんけどね。
投稿情報: 佐藤 | 2015年3 月 7日 (土曜日) 06時37分