本長篠
(本長篠駅)
飯田線・本長篠駅は愛知県新城(しんしろ)市にある駅です。かつては南設楽郡鳳来町でしたが、平成17年10月に新城市と合併しています。長篠と言えば戦国時代に「長篠の戦い」のあった場所で、甲斐武田家は織田・徳川の連合軍に大敗を喫し衰退が決定的になった戦いでもありました。
本長篠駅からはかつて豊橋鉄道田口線という路線が伸びていましたが、昭和43年に廃止になり駅前からはその代替の豊鉄バスが発着しています。
先の三河一宮駅の記事でも取り上げましたが、本長篠駅も同じ新城市にある東新町駅とともに今年4月からの無人化対象駅でした。しかし、結果的に両駅とも無人化はされず新城市の簡易委託駅として窓口は維持されました。新城市でも豊川市と同じように東愛知新聞の報道の直後の市議会で本長篠・東新町両駅の無人化について取り上げられました。
私は両市の市議会の議事録を読んでみました。新城市では旧鳳来町議会の副議長を務めた議員が市当局に対して厳しく追及していました。要約すると以下のような感じです。
- 議会への相談なしに市当局独断でJR東海へ無人化受け入れの回答したのは遺憾。
- 市として現地(本長篠駅)の状況を見て、利用客や駅の状況を把握した上で回答したのか→市としての確認は行っていないと答弁
- 本長篠駅のスロープは急で、障害者や高齢者にはきつい。ボランティアなど手助けをする人が必要。
- JR東海の方針は仕方がないが、市として駅員となる人を募集して簡易委託化し、湯谷温泉駅のように観光戦略に結びつけることが必要。
- 本長篠駅は地滑りを起こしていて、安全管理面で市も関与する上で駅員を置いた管理が必要。
議員の追及に対し市当局は無人化受け入れを見直すことを約束していました。最後に答弁をしていた市総務部長が「僕のぼやきですが、JRも交通機関のミッションとして、もう少しいい対応をしていただきたいと思っておりますが、そこら辺も何か言っていただければありがたいと思います。」という偽らざる本音を漏らしていたのがおかしかったです。
その後、新城市は無人化方針を撤回し、新城市が駅業務を受託する簡易委託駅に変更することが決まりました。 新城市では無人化が報じられたときに、近隣に住む複数のJROBが市に支援を申し出るという幸運はありました。ただ、財政面で苦しいのは新城市も豊川市も同じだと思いますが、どちらの市が市民のことを考えてお金と知恵を絞り出し、結果的にいい仕事をしたかは言うまでもありません。
前置きは長くなりましたが、本長篠駅でもきっぷを購入しました。簡易委託化にされてもマルス端末は残りますが、クレジットカードの取り扱いはできなくなっています。エクスプレス予約の受け取りもできず、発売できるきっぷの種類もある程度限られるようです。
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