SLやまぐちあすか
◆種別:快速
◆区間:新山口~津和野
10月16・17日に新山口~津和野間で快速「SLやまぐちあすか」号が運転されました。一昨年の山口ディスティネーションキャンペーン以来、山口線のSLに何かしらのジョイフルトレインが動員されていて、今年は「あすか」と「なにわ」が使用されました。そのうち「なにわ」は一昨年の快速「SLやまぐちDX」号として運転された実績がありましたが、「あすか」は初のことでした。
なんだか人の名前みたいな列車ですが、「やまぐち」と「あすか」を合体させて「やまぐちあすか」となったものです。「あすか」はJR西日本宮原総合運転所に所属するお座敷客車で、12系客車と14系寝台車を改造して昭和62年10月に完成しました。座席は全てグリーン席ですが、なぜか車体にグリーン車マークはなかったように見えました。団体専用列車で運転されることがほとんどで、臨時列車に供用されること自体が極めて珍しいです。
私は一昨年に「やまぐちDX」には乗っていたので、乗るとしたら「あすか」一本に絞りました、ただ、当初は行けるかどうか不透明だったため、1ヶ月前の10時打ちには参戦しませんでした。その後状況が変わって行けそうになり、1日何度か「指定席券売機」で調べてみましたが、全区間で空きが出ることはありませんでした。区間を区切ると湯田温泉~新山口間で一瞬空席が出ましたが、いくら「あすか」に乗りたくても、たった18分の乗車のためにはるばる山口まで行く気にはなれませんでした。
ヤフオクではいつも同じような人が大量出品し、950円のグリーン券が5~6000円ほどに高騰していました。おそらく発売前に団体枠で抜いた席をバラ売りしてるんだと思いますが、どうしてこういうことができて、どうしてそれを防ぐすべがないのかいつも不思議に思います。遂にはいつも×(満席)が表示される「指定席券売機」に嫌気が差し、一旦は空席を調べるのを止めました。
状況が変わったのは1週間前の軽井沢駅での偶然でした。連れが買い物へ行っている間ヒマだったので「指定席券売機」で往路の空席照会をしてみたところ、見慣れた×が△になっていました。私は反射的にボタンを押して指定券を押さえていました。この瞬間、山口行きが決定しました。
そうなると復路も乗りたいという欲が出てしまうのが人間です。しかし、往路同様空きが出ませんでした。経験上、運転日の3日前~前日は戻りが出ることが多いんですが、そのタイミングでも全然出ませんでした。
最終的に復路の指定券も確保できたのは往路に乗りに行くため泊まった先での小倉駅でした。「4席ありますけど、どうされます?」と言われ、すかさず2席押さえました。ただ、この時はちょっとだけ頭を使いました。知っている人は知っているでしょうが、これは企業秘密です。
こうして確保できた復路の指定券です。時間や手間を惜しみ、お金を出してヤフオクで買うこともありだとは思います。決して否定はしません(ただし、指定券をアンフェアな手段で仕入れて転売したり、恒常的に転売を行うことには反対です)。ただ、自分で苦労してゲットした指定券はコレクションとしての思い入れが格段に違うと思います。ここは「乗れればいい派」と「乗ってきっぷまでコレクションする派」のこだわりの違いかもしれませんが…。
「あすか」のハイデッカー車は今回の運転では抜かれていて6両編成でした。また、機関車は往路は重連で、復路はプッシュプルで運転されました。文字だけで表すとこんな感じ↓になります。どうも撮る人にとっての被写体としての魅力は重連>プッシュプルのようで、沿線の撮り鉄の数も目に見えて違ったように感じました。下の写真はクリックすると拡大します。
往路 [あ][あ][あ][あ][あ][あ][C56)[C57) (津和野→)
復路 (←新山口) (C57][あ][あ][あ][あ][あ][あ](C56]
初めて乗った「あすか」は期待以上でした。お座敷は畳のいい香りがしました。1両の定員は24人(展望車)ないし28人(展望車以外)で、広くゆったりとしていました。堀ごたつ式ではありませんが、ホールド感のあるしっかりとした座椅子で、乗っている最中もさほど疲れは感じませんでした。これならグリーン料金を払う価値があるなと思いました。
展望室は編成の両端にありましたが、ずっと占拠しているヲタや家族連れがいて、立ち入る余地がありませんでした。この写真は津和野駅に到着し、占拠していた人がいなくなってから撮影したものです。前部の展望室は機関車を間近に見ることができました。
(展望車外観)
(展望室車内)
往路の車内は乗車率が高く、ヲタよりも団体客の方が多かったように見えました。私が乗った6号車は倉敷からの団体客がほとんどを占め 、普通に指定券を買って乗っていたのは私たちと向かいのオッサンの3人だけでした。隣にいた団体のツアコンのおねえさんに「1週間前でよくこの列車の指定が取れましたね~」って言われましたが、私が軽井沢駅で偶然拾えた2席はこの団体の戻しだったかもしれません。逆に復路はガラガラで、指定券が全て売り切れているようにはとても見えませんでした。せっかく指定券を取っても、乗らなければもったいないと思うんですが。「あすか」のようにめったに走らない車両だとなおさら…。
また来年は違った客車で運転されるかもしれません。個人的には昨年乗りそびれた「ゆうゆうサロン岡山」での運転に期待したいです。写真で特に注釈のないものは津和野駅で撮影したものです。
お久しぶりです。
やはり特別列車の人気は大きいですね。
2年前のDXのときは休日に休みの取れない職場のため諦めていた「なにわ」への乗車ができるとあって10時打ちを頼んだのですが9・10日と失敗し3度目の正直で11日の上り全区間の入手ができました。ご指摘のように実際乗ってみると車内放送で満席と流しているのにそんなに乗ってるように見えませんでした。
「あすか」のほうは17日の新幹線博多車両所開放の帰りに乗ろうとしたのですが、なかなか席が取れず、結局16日に当日席の取れた湯田温泉から新山口まで乗車しました。団体が湯田温泉で下車したためか5号車はガラガラでした。
投稿情報: うえっち | 2010年12 月 6日 (月曜日) 21時28分
「あすか」も乗りたかったのですが、一週間前に「なにわ」に乗りに行ったのと席が取れなかったので諦めました。
当日に復路の席が取れたとのことですが、私も「なにわ」の復路が確保できたのは当日朝のことでした。
転売に失敗して払い戻ししたのでしょうかね(笑)
それにしても、「あすか」はハイデッカー車が連結されていないと少し変な感じですね。
ただ単に見慣れないだけだと思いますが…。
投稿情報: 鉄道部長 | 2010年12 月 8日 (水曜日) 22時47分
>うえっちさん
オークション市場を見てみると価格は「あすか」>>「なにわ」でした。やっぱり過去に走った実績があるかどうかの違いでしょうね。
団体さんは「なにわ」だろうが「あすか」だろうが普通の「やまぐち」だろうが一定数均等に座席を抜いてしまうので、ヲタとしてはなかなか困り者です。
>鉄道部長さん
私は「あすか」にハイデッカー車があるのを知らなかったので、こんなものかと思っていました。6両でも最後尾の半分は津和野駅のホームからはみ出していたので、ホーム有効長の問題だったのかもしれません。
投稿情報: 今出川 | 2010年12 月 9日 (木曜日) 23時50分