成田スカイアクセス→JR連絡
今年7月17日に開業した京成電鉄の成田スカイアクセス(成田高速鉄道アクセス)経由で日暮里接続のJR連絡乗車券です。きっぷの様式としては目新しくありませんが、小さく「印旛日医・高砂経由」とあるので、成田スカイアクセス経由ということがわかります。
成田スカイアクセス部分の運賃は発売額の1330円からJR分の130円を引いた1200円です。しかし、各社分の運賃を合算すると1200円になりませんでした。
- 成田空港~印旛日本医大(京成電鉄) 680円
- 印旛日本医大~京成高砂(北総鉄道) 780円
- 京成高砂~日暮里 (京成電鉄) 250円 計:1710円??
これでは高すぎてJRの特急「成田エクスプレス」に対する料金的メリットが薄れてしまいます。よくよく調べてみたところ、京成では京成高砂~印旛日本医大~成田空港間を「京成成田空港線」として新たに定義し、国土交通省から運賃認可を受けていました。このきっぷのような京成本線とまたがる区間の運賃は京成高砂駅で成田空港線と本線の運賃を打ち切り計算にして取扱うようです。
- 成田空港~京成高砂(京成成田空港線) 950円
- 京成高砂~日暮里(京成本線) 250円 計:1200円
北総鉄道は運賃が高いことで有名です。京成高砂~印旛日本医大間は32.3Kmですが780円もします。JRの電車特定区間だと540円です。各社ごとに合算だと北総鉄道がネックになって運賃が高くなりすぎるので、無理やり安くするためにこんなトリッキーな運賃計算にしたのかなと推測しています。
☆ ☆ オ マ ケ ☆ ☆
せっかく成田スカイアクセスに乗るのであれば、新しいスカイライナーにも乗りたいと思い、少々遅ればせながら乗ってきました。実は京成のスカイライナーに乗るのは初めてだったりします。
車両は「成田エクスプレス」が従来のカラーリングを踏襲したのに対し、スカイライナーは青と白のこれまでのイメージを一新したカラーリングでした。デザインは世界的デザイナーの山本寛斎です(鉄道車両のデザインは初めてだそうですが)。京成では”JAPAN SPEED”というキャッチコピーで盛んに宣伝しています。京成は車両や駅がボロいのであまり設備投資に熱心でない印象を受けますが、今回ばかりは並々ならぬ気合を感じます。
もう一つ売りは在来線最高の時速160Kmで走ることです。160Kmで走るのは今回新たに開業した印旛日本医大~空港第2ビル間の18.1Kmだけなので、すぐに終わってしまいましたが、何となく速く走っているのは感じ取れました。空港第2ビル駅付近のJRと京成が併走する区間でJR成田空港行の快速「エアポート成田」に乗っていたときに、新型スカイライナーにあっという間に抜き去られました。
日暮里までかなり速く着いたように感じました。スカイライナーは日暮里~成田空港間を最速39分で結び、運賃+スカイライナー券は2400円です。京成が速くて安ければ、元々割高で大した割引のない「成田エクスプレス」はちと苦しい感です。一時期運転されていた快速「エアポート常磐」は知らぬ間に消えています。「成田エクスプレス」は京成スカイライナーと速さや運賃勝負は捨てて、新宿・渋谷や横浜など都心からのダイレクトアクセスや東京・品川駅での新幹線接続、あとは無線LANで差別化して活路を見出すことになりそうです。
安くした北総鉄道の運賃分は千葉県の森田健作知事が千葉県と何処かで負担をすると言っていたような気がします(うろ覚えでスミマセン)。
では。
投稿情報: 水浜軌道 | 2010年8 月14日 (土曜日) 22時57分
余談ですみません。
スカイライナーのスカイアクセス経由のおかげで、京成の株主優待券の相場が上昇中です。御徒町近辺の某大手金券ショップDでは前は850円だったのが950円に値上がりしてました。一方で、船橋辺りだと750円で入手できたりします。
投稿情報: 根津千駄木 | 2010年8 月14日 (土曜日) 23時59分
>水浜軌道さん
一部で揉めたようですが、千葉県と沿線自治体が税金投入してこれでも少し安くなっているようです。でも、税金を投入しての一時的な運賃の値下げは少々違和感があります。行政は経営を圧迫している長期借入金の圧縮といった金融面での側面支援に注力すべきだと思います。
>根津千駄木さん
スカイアクセス開通に伴って、京成の株主優待券はどう取扱うのか気になっていました。スカイアクセスを京成成田空港線と解釈するのであれば株主優待券が使えても不思議ではないですね。
投稿情報: 今出川 | 2010年8 月16日 (月曜日) 11時11分
今回の北総線の運賃値下げですが、沿線自治体・千葉県のほかに京成も応分負担していますので一応申し上げておきます。また、白井市議会が反発(解決にならない・負担して値下げはたったこれだけか等)し、白井市のみ値下げ負担金の予算措置がまだ採られていません(予算案から負担金を削除し可決)。
森田知事は、白井市の分を県が肩代わりすることは無いと明言しています。従って「揉めたまま」開業を迎えています。北総鉄道側は、合意通りの予算措置が無いなら再度値上げの可能性もあると通告しています。これまでの経緯は当事者である白井市役所のホームページが分かりやすいかと思いますので、詳しくはそちらもどうぞ。
投稿情報: 雨どい | 2010年8 月16日 (月曜日) 20時06分
白井市が反発しているところまでは知っていましたが、こうして実際に値下げされているので、白井市でも何だかんだ言いつつも予算が可決されたと思っていました。
結局のところまだ宙に浮いた状態で「見切り発車」したようですね。
投稿情報: 今出川 | 2010年8 月16日 (月曜日) 20時46分
>株主優待券
成田空港線については、アクセス特急停車駅のみ使用可と京成のサイトに出ております。
相場が場所によって違うのは東武の例もあり、東上線利用者をターゲットにしている池袋界隈では、寄居までの運賃を若干下回る(→日光方面より相当下回る)値段で売られています。
投稿情報: よこりん | 2010年8 月16日 (月曜日) 23時27分