東北ローカル線パス
「東北ローカル線パス」は9月4日~11月30日の期間限定で発売されている東北6県のJR線および私鉄の快速・普通列車が3日間6000円で利用できるフリーきっぷです。期間中の「金・土・日」または「土・日・月」の連続する3日間利用できます。新幹線や特急・急行列車(秋田内陸縦貫鉄道の急行は急行券購入により利用可)は利用できません。「青春18きっぷ」の期間限定・地域限定バージョンといったところでしょうか?フリー区間は以下のとおりです。
【フリー区間】
- 東北6県のJR線(新幹線は除く)
- 青い森鉄道
- 十和田観光電鉄
- 秋田内陸縦貫鉄道
- 弘南鉄道
- IGRいわて銀河鉄道
- 由利高原鉄道
- 三陸鉄道
- 山形鉄道
- 阿武隈急行
- 福島交通
- 会津鉄道
これを見ると東北地方の鉄道事業者で利用できないのは津軽鉄道・仙台市営地下鉄・仙台空港鉄道ぐらいです。よくこれだけ取り纏めたなぁと感心しました。「東北6県のJR線」とありますが、北限はともかく南限がどこまでかわかりません。「ご案内券」にもその記載はありませんでした。
<JR線の南限>
- 常磐線・勿来
- 水郡線・矢祭山
- 東北線・白坂
- 只見線・田子倉
- 磐越西線・徳沢
- 米坂線・小国
- 羽越線・鼠ヶ関
南限の駅はこんな感じです。私は少しはみ出して利用したので、買い足さなければならない範囲を時刻表で確認せざるを得ず、ちょっと不親切だなと感じました。
私は10月の3連休中に利用しました。「三連休パス」も考えたんですが、そんなに急ぐような旅でもなかったのでこのきっぷにしました。青森県以外の5県に足を踏み入れ、社線は会津鉄道だけ乗りました。途中、特急列車を使ってワープしているので、在来線の特急列車ぐらい使えたらなお便利だと思いましたが、この価格では贅沢言えないと思います。
【ひとこと】
JR+11事業者がフリーとなって3日間で6000円という価格は頑張ったと思います。このきっぷは1000円高速道路対策と言うよりはローカル私鉄の救済的な意味合いもあるかもしれません。各社にはJRから売り上げに応じた配分があるはずですが、一社当たりせいぜい数百円だと思われます。そうするとこのきっぷで下手に長距離乗られてしまうと儲けがなくなってしまう感があります。
11月28日出発分までで発売を終了しますが、「青春18きっぷ」期間(12月10日~1月20日)が明けたタイミングで再発売されるのではないかと予想しています。東北6県のJR線は全て乗っているので、今度発売されたら社線の残りを乗り潰してみたいと思います。
使い勝手…★★★★☆
お得感…★★★★☆
当日発売…あり
小児用…なし
このきっぷは東北運輸局の「ローカル線活性化事業」の一環として運輸局長の鶴の一声で発売が決定しましたが、売り上げの90%はJRに入ってしまい、残りは数十円単位で各事業者に配分される仕組みなので地方私鉄にとっては売れて乗られれば乗られるほど累積負債が増えるというとんでもない代物だそうです。
運輸局からしたら閑散期のてこ入れ企画でもあった訳ですが、既にいくつかの事業者からは相次いでこのような企画はもうやめてほしいとの声があり、次回も発売する可能性は低いです。
投稿情報: MT54 | 2009年11 月19日 (木曜日) 00時32分
MT54さんのコメントにもありますが、東北運輸局の働きかけで私鉄・三セク各社が「しぶしぶ」参加したようなものなので、今後出る可能性は極めて低いです。何社か参加しなかった事業者がありますが、要はそういうことです。
いちおう東北ローカル線パス1枚発売ごとに各社の輸送人員が「プラス1」され輸送密度も書類上は上がることになりますが、輸送人員増えながら旅客収益が減るという現象が起きるというカラクリが発生します。
「ぶらりおとぎ街道号」は阿武隈急行線内における東北ローカル線パスでの乗車が不可でしたが、その辺りがどうやら絡んでいる模様。
投稿情報: 料補収集家 | 2009年11 月19日 (木曜日) 00時45分
仮に切符が1万枚売れたとしてある会社は1枚あたりの配分が50円だった場合、50万円の収入になります。
1万枚売れても実際にその会社線に乗りに来る客は1万人になるわけがなく、利用エリアの広さ的に1割1千人程度かと。
書類上はともかく、実際に乗りに来た客数換算でいえば1人あたり500円とかになるわけで、こういう切符による需要喚起効果も含めてトータルで考えての話になるんではないでしょうか。
と精一杯肯定的に考えてみましたがどうでしょう?
なお立山黒部アルペンきっぷみたいに、購入者のほとんどが会社線を利用するのが明らかな切符の場合は当然一枚あたりの配分は多くなりますね。
投稿情報: VC-50 | 2009年11 月19日 (木曜日) 01時54分
恐らく営業キロで案分している(するしかない)んでしょうね。とは言え需要喚起効果は大きいと思われるので、次回からは値段や有効期間は据え置きで南北に分割するなどして存続してほしいですね(東北は広い&各社とも高いので、エリアが半分になってもインパクトは薄れないと考えます)。
あと、野岩や東武とタイアップして首都圏の客を取り込むことも考えてもらいたいものです。
投稿情報: よこりん | 2009年11 月19日 (木曜日) 10時08分
きっぷの趣旨としては決して悪くないと思います。
ただ、このきっぷのように複数社絡む場合は予め利害調整をしっかりしないと、どこかしら不幸なところが出てしまいます。私鉄と比べるとJRの路線ネットワークや販売力は比較にならないものがありますが、売り上げの多くを持って行ってしまうようではちょっとどうなのかな…と思います。
個人的には3日間8000円ぐらいでも売れると思います。それと私鉄側でも発売するようにすればきっぷ売り上げの配分の他に販売手数料も得ることができます。きっぷヲタ的に各社ごとのバリエーションが増えれば面白いですが…。
投稿情報: 今出川 | 2009年11 月20日 (金曜日) 01時26分