あさぎり
◆種別:特急
◆運転区間:(小田急)新宿~沼津(1日4往復)
特急「あさぎり」は平成3年にそれまで小田急新宿~御殿場間を走っていた急行「あさぎり」の区間を東海道線・沼津まで延長し、特急格上げすることによって登場しました。車両は小田急3000系(SE車)の片乗り入れだったものを、JR東海は371系を小田急は20000系(RSE車)新製し、車両も路線も相互乗り入れとなりました。同一愛称の特急にJR・私鉄両社で車両を供出しているのは「あさぎり」だけだと思います。
(JR東海371系)
(小田急20000系)
JR東海の371系はグリーン車が連結されています。小田急の20000系にもそれに相当するスーパーシートが連結されており、車両の性能や編成を両社で合わせています。371系は1編成しかなく「あさぎり」専用車となっていますが、20000系は2編成あり箱根特急にも使用されています。371系が検査等で運用を外れる際には20000系が代走します。
小田急線は御殿場線の下をくぐるように直角で交わっています。御殿場線・松田駅構内から小田急線に延びる短絡線を経由して乗入れています。短絡線が本線に合流するのは渋沢~新松田間なので、「あさぎり」は小田急線・新松田駅ではなく、JR御殿場線・松田駅に停車します。両駅は道路を挟んで向かい合わせなので大勢に影響はありませんが…。
御殿場線・松田駅でほぼ同じアングルで撮影した写真です。左が短絡線経由で小田急線へ乗入れる小田急20000系で、右が御殿場線の上り列車です。
指定席は急行列車時代から小田急で管理しています。JRと私鉄の乗り入れ特急はいくつかありますが、JR以外で指定席を管理しているのは「あさぎり」だけです。それでもJR東海の駅では労せずして購入できます。小田急の電話予約センターで予約した特急券を御殿場線の駅で受け取ることもできるぐらいです。しかし、JR他社では駅から電話でJR東海の静岡マルス指令というところに空席の有無を照会してから手書きで発券しないといけないので、余分な手間がかかります。それゆえ、あからさまに嫌そうなな顔をするJR某社の係員もいるぐらいです。
(席無し券)
(指のみ券)
JR東海の駅で購入するとなぜか席無し券と指のみ券の2枚が渡されます。このきっぷのように小田急が絡まない区間でもなぜかそうなります。席無し券はごくありがちな様式ですが、指のみ券が特徴的です。左上に[海]の社名記号があり、券番の体系もちょっと見慣れないものです。キャンセル符号の桁数も多いです。スペースの都合かもしれませんが、着駅の到着時刻が入っていません。
「あさぎり」のきっぷは急行時代を通じてイレギュラーが多く趣味的に非常に面白いです。手持ちの中から追々紹介していきたいと思います。
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