ふじのくに家康公きっぷ(中部)
昨年は徳川家康が亡くなってちょうど400年でした。それを記念して静岡県とJR東海は共同で観光客の誘客キャンペーンを行いました。その一環として、昨年6月から11月末の土休日限定でエクスプレス予約会員向けに「ふじのくに家康公きっぷ」を発売しました。
このきっぷは東西に長い静岡県を3つのフリーエリアに分割しています。東部・中部・西部の3種類あり、それぞれで発売駅が限定されています。いずれも2日間で1000円です。また、宿泊付きの旅行商品とセットでも発売されていて、その場合は土休日限定という縛りはないようです。
- 東部エリア…熱海、三島、新富士
- 中部エリア…新富士、静岡、掛川
- 西部エリア…掛川、浜松
発売には以下のようなややこしい条件がありました。
- エクスプレス予約の「こだま楽旅☆IC早特」の利用者限定。
- 利用区間は静岡県外(東京~小田原間もしくは豊橋~新大阪間)発・静岡県内着。(逆向きは不可)
- 「こだま楽旅☆IC早特」の到着駅で、新幹線乗車の当日か翌日分のみの発売。
- 購入時にIC利用時の「ICご利用票」の提示が必要。(「IC乗車票」は不可)
- 1枚の「ICご利用票」で1枚のみの発売。
いろいろと制限が多くて、あまりたくさん売れるのも逆に困るのかなと勘繰ってしまいます。
(ICご利用票)
「ICご利用票」はこのようなものです。入場時にICカードを自動改札機にタッチすると、自動改札機から吐き出されます。出場時はICカードを自動改札機にタッチするだけなので、利用後も「ICご利用票」は確実に手元に残ります。
「ふじのくに家康公きっぷ」を購入すると「ICご利用票」にこのような購入済みの印を押されて返されました。それと、係員がきっぷと同時に発券された控券に利用列車と席番を記録していました。ずいぶんと厳格に枚数管理を行うものだとある意味感心しました。
これが現物です。85mm券の普通のフリーきっぷの様式に見えますが、なぜか自動改札非対応です。私鉄は非対応でも仕方ないにしても、JRぐらいは何とかなるだろうに…とは思いました。対応できない理由があったんでしょうか。
フリーエリアは以下の通りです。
【フリーエリア】
- 東海道線…富士~掛川
- 静岡鉄道…新静岡~新清水
- エスパルスドリームフェリー(駿河湾フェリー・清水港ベイクルーズ)
- しずてつジャストライン一部路線
- するがロマンバス
- 日本平ロープウェイ
JR線のフリーエリアはそんなに広くありません。新幹線は含まれません。バスやフェリーも使えば一通り有名どころの観光地は回れるので、その分でカバーする感じでしょうか。
【ひとこと】
当初、このきっぷは昨年11月末までの発売と案内されていましたが、今年3月末まで延長されました。
私は駿河湾フェリーを土肥港~清水港で利用したんですが、正規運賃は片道2260円でした。このきっぷは1000円ですから、正直「価格設定おかしいんじゃないの?」とは思いました。晴れていれば駿河湾に浮かぶ富士山がものすごくきれいに見えますから、気合と時間があればオススメです。
逆にちと不親切だなと思ったのは中部エリア版は新富士駅でも発売するのに、新富士~富士間の富士急バスがフリーエリアに含まれなかったことです。新富士駅からはバスを使わないとフリーエリアに移動できません。東部エリア版にはフリーエリアに含まれていましたので、おかしな設定だなと思いました。
あと、「こだま楽旅☆IC早特」は会員本人しか利用できないため、このきっぷは自動的に一人旅用になってしまいます。よくヲタがやり玉に挙げる「二人縛り」とは逆の「一人縛り」です。値段は会員本人と同額である必要はありませんが、同伴者や小児用の考慮は欲しいところです。泊まりでの利用も考慮して2日間有効にしているのでなおさらです。
フリーエリアと価格についてはいいと思いますが、発売条件の厳しさと一人縛り・自動改札非対応が使い勝手のマイナスポイントです。
使い勝手…★★☆☆☆
お得感…★★★★☆
当日発売…あり
小児用…なし
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