JR-IR-あいの風三社連絡
こちらのきっぷはJR-IRいしかわ鉄道-あいの風とやま鉄道の三社連絡の乗車券です。経由の表記は「…金沢・IRいしかわ・倶利伽羅・あい風とやま」となっています。あいの風とやま鉄道が「あい風とやま」と略されているのが面白いです。
この経由の三社連絡はJRが大聖寺~西金沢間、あいの風が石動~富山間相互発着となる場合に発売されます。それを越える場合はどこかしらで分割する必要があります。
780円の運賃の内訳は以下の通りです。
JR:西金沢~金沢 190円
IR:金沢~倶利伽羅 360円
あいの風:倶利伽羅~石動 230円 計:780円
運賃はこのように三社分を単純に合算したもので、割引はありません。この区間はJR時代は500円でしたので、実に56%の280円も運賃がアップしています。一社を分割して三社になった弊害がモロに現れた感です。
以前の記事でIRとJRの乗継割引について紹介しましたが、IRはあいの風との乗継割引も設定されています。金沢~石動間は合算で590円になりますが、乗継割引の適用で500円に抑えられています。そこで、上記の区間を金沢で分割してみると以下のようになります。
JR:西金沢~金沢 190円
IR+あいの風:金沢~石動 500円 計:690円
高いことには変わりませんが、90円安くなっています。このきっぷのように通しで三社連絡券を購入するより、金沢駅で分割しJRと「IR+あいの風」という形で購入した方が安上がりになるという結果になりました。
逆に「JR+IR」とあいの風という倶利伽羅分割のパターンは、倶利伽羅発着金沢接続のJR連絡に乗継割引の設定がないため、三社連絡と同じ単純合算となり無割引の運賃(780円)になります。
IR津幡発着だとJR連絡(大聖寺まで)にもあいの風連絡にも乗継割引があることに着目し、西金沢~津幡と津幡~石動で分割するとどうなるか試算してみます。そうすると…。
JR+IR:西金沢~津幡 350円
IR+あいの風:津幡~石動 280円 計:630円
津幡~西金沢間で110円の乗継割引があるのと、津幡~石動間についても180円もの手厚い乗継割引があるため、通しで三社連絡券を購入するよりも150円も安くなっています。もっとも、机上でこういう計算式が成り立っても、事前にIRの駅で分割した2枚の乗車券を仕込んでおく必要があるので、実践はあまり現実的ではないですが…。
これまで何回かIRとあいの風の運賃の考察をしてきましたが、思ったより闇が深いなと実感します。
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