券売機限定のぞみ割引きっぷ
昨年10月よりJR東海が東京駅で「券売機限定のぞみ割引きっぷ」という以下のような条件の一風変わったきっぷを発売しています。
- JR東海東京駅の改札外の指定席券売機のみで発売
- 当日の「のぞみ」の指定席・グリーン席に空席がある場合にのみ発売
- 東京発で名古屋(市内)・京都(市内)・新大阪(市内)着の乗車券・特急券のセットで発売
- 価格は正規運賃から一律50円引き
普通であれば距離的に特定都区市内制度の「東京都区内」が適用されますが、このきっぷについては東京発という単駅になりました。また、品川駅で発売する品川発の設定はありませんでした。
これが私が使ってきた現物です。乗車券と特急券が一体になっていて、様式は発行替した新幹線回数券に似ています。私はエクスプレス予約の会員ですので、エクスプレス予約で買った方が安いです。
乗車券部分の有効期間も特徴的で、当日・列車限りではなく東京(都区内)~名古屋(市内)間の普通乗車券と同じ3日間有効です。特急券部分は無効となりますが、乗車券部分は途中下車できたりもします。
こんなきっぷが出てきたのはおそらく、「東京都区内」の配分を巡ってではないかと思います。JR東海の東京・品川駅で東京都区内発の乗車券を購入し、東京・品川駅から直接東海道新幹線に乗車する場合でも、JR東日本へのいくらかの運賃配分があります。これは東京都区内の在来線がJR東日本の路線で、乗っていなくても乗ったとみなすからです。新幹線と在来線で会社が異なる京都市内・大阪市内・北九州市内・福岡市内でも同じ事象が発生しています。
上記のような乗車券はJR東海で完結するのに発駅が「東京都区内」となっているせいでJR東日本への配分が生じています、そこで、乗車券部分を東京単駅にして自社完結にすることによって、JR東日本へ配分をなくすべくこのようなトクトクきっぷを仕組んだのではないかというのが私の推測です。なんだかかつての「東海道新幹線専用TEXきっぷ」を思い出します。
【ひとこと】
当日の「のぞみ」の指定席・グリーン席を利用する人で回数券もエクスプレス予約も利用しない人にはほぼ無条件で割り引かれますから、ちょっと嬉しいかもしれません。ただ、1万円以上するトクトクきっぷでたった50円引きというシブすぎる割引率はかつてないものです。
新横浜はともかく、品川発の設定がないのは東京発と運賃が変わる区間があるからだと思います。例えば東京~名古屋(市内)は6260円ですが、これが品川~名古屋(市内)となると一つ下の価格帯の5940円となります。JR東日本への配分をなくそうとして自社の運賃収入も減ることは本末転倒になります。利用者としては品川発もあった方がメリットはあるんですが。
使い勝手…★★☆☆☆
お得感…★☆☆☆☆
当日発売…あり
小児用…なし
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