おいこっと
◆種別:快速
◆区間:(しなの鉄道)長野~十日町・戸狩野沢温泉
(「おいこっと」ロゴマーク)
北陸新幹線金沢開業に合わせ、飯山線に観光列車「おいこっと」が投入されました。「おいこっと」の由来は飯山線沿線の山や田園風景を東京の真逆の「ふるさと」し、TOKYOを逆に読み「OYKOT」→「おいこっと」としたんだそうです。深いのか安易なのかよく分からないネーミングです。
春から秋にかけての運転区間は長野~十日町間の1日1往復で、往復とも十日町駅で快速「越乃Shu*Kura」と接続するダイヤが組まれていて、観光列車の乗り比べができるようになってました。
また、冬ダイヤからは長野~戸狩野沢温泉間に短縮し1日2往復で運転されています。短縮された戸狩野沢温泉~十日町間は豪雪地帯ですから、除雪時間の確保や大雪による不通・ダイヤ乱れの影響を避けるために短縮したんじゃないかと思います。なお、いずれも長野~豊野間は信越線を転換したしなの鉄道・北しなの線を通りますが、乗務員の交代はなくJR東日本の乗務員が通しで乗務します。
車両は飯山線の定期列車で使用されているJR東日本長野車両センターのキハ110系を観光列車仕様に改造しました。えんじ色を基調にした編成と、クリーム色を基調にした編成の2両で組んで運転されます。
内装は「古民家風」にし、座席には大きめのテーブルを取りつけました。また、観光案内を放映するためのディスプレイを通路上に設置しています。ただし、普通の観光列車と違うのは間合いで定期列車としても使用するため、ロングシートやつり革が残してあります。ワンマン運転用の運賃箱・整理券発行機や運賃表もそのまま残っていて、観光列車で使用する際にはカバーが掛けられています。
いちおう運転初日の指定券が取れたので、乗ってきました。9番までの奇数番の席は川沿い側の2人掛けボックス席です。長野方面はB席が進行方向向きで、A席は十日町方面向きです。千曲川(信濃川)や信州五岳が見えるのは奇数番の席なので、座席が選べるようであれば指定買いすることをオススメします。
指定席料金は520円で、しなの鉄道に絡む料金はありません。しなの鉄道の停車駅はなく通過利用されるだけですが、徴収する根拠はありますから、経営がラクでないのであれば50円でも100円でも徴収すべきだと思うんですが。
(野沢菜)
まず驚いたのは車内放送が声優の常田富士男さんでした。名前は存じ上げなかったんですが、「まんが日本昔ばなし」の男性のナレーションの方と言えば通じるでしょうか。飯山線の沿線の出身だそうです。そして、発車後ほどなくして当地名物の野沢菜が出てきました。これはサービスだそうです。野沢菜をぽりぽりかじりながら、沿線ののどかな山河を眺めていました。
(濁りまくりの信濃川)
同じ観光列車で比較すると、酒という明確かつ強力な売りを持った「越乃Shu*Kura」よりはアピールポイントが弱い気はします。ただただ、車窓を眺めながらのんびり過ごしたい場合にはいいと思います。冬の運転では2号車のみ指定席を発売し、1号車はフリースペースとして利用できるようです。車内販売があるので飲食物の調達には困りませんし、これからの季節は雪景色を眺めながらのんびりするのも一興です。
列車の写真は飯山線・戸狩野沢温泉駅で撮影したものです。
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