松本も東京
6月22日日曜午前11時。私はちょっとへこんでいました。札幌発の寝台特急「トワイライトエクスプレス」の寝台券を確保し乗ることを前々から楽しみにしていたんですが、その日の早朝に起きた江差線の貨物列車脱線事故の影響で急遽運休になってしまいました。本州との大動脈が数日不通となるという見込みだったため、北海道から出る手段は飛行機しかありません(丸1日近くかかるフェリーは現実的ではありません)。
(ああ無情…)
へこんでいるだけではどうしようもないので、翌日予定の有休を取り消すことにし、とにかくすぐに北海道から脱出することにしました。札幌駅の精算所で苦労して取った寝台券を払い戻し、その足で新千歳空港に向かいました。しかし、日曜日の午後だったので羽田行・成田行ともどの会社の便も満席でした。仕方がないので、フジドリームエアライン(FDA)の松本行の最後の1席に飛び乗り、夕方に松本空港にダイバートしました。
松本からは特急「あずさ30号」で帰りました。事前に分かっていれば「トクだ値」や回数券を仕込んで、正規料金で「あずさ」を利用することはまずないんですが、急だった上に飛行機も連絡バスも遅れて「あずさ」発車の数分前に松本駅に着く有様だったので、駅前の金券ショップで仕込みをする間もなく券売機できっぷを買うのがやっとでした。
そんなわけで、期せずして東京近郊区間の一番外側である松本からの普通乗車券を購入しました。見ての通り、4000円もするきっぷですが1日限り有効になっています。自分で実際にきっぷを買って改めて松本も東京近郊区間なんだなと実感しました。無効印の通り、私は横浜線・長津田駅まで利用しています。この時は途中下車する用事がなかったのでまっすぐ帰りました。ここでふと気になったことがありました。
・松本~長津田…営業キロ:212.7Km、運賃:4000円(ICカード:3996円)
・松本~横浜 …営業キロ:232.4Km、運賃:4000円(ICカード:3996円)
・松本~洋光台…営業キロ:246.5Km、運賃:4000円(ICカード:3996円)
着駅はいずれも横浜市内の駅ですから、特定都区市内制度の適用で中心駅の横浜駅までの運賃となります。特定都区市内制度を適用せず、営業キロ通りの運賃計算を行った場合は長津田は3670円で、洋光台は4430円となります。長津田の場合は特定都区市内制度のデメリットをモロに食らう感です。
ちなみに一つ手前の成瀬駅まで購入して長津田駅で精算するやり方でも、近郊区間完結の乗車券は乗車区間と原券区間の運賃の差額を精算しますので無駄な抵抗となります。成瀬駅でいったん改札を出れば安上がりにできます。
特定都区市内制度はきっぷ・ICカードともにメリ・デメにかかわらず強制適用されるのでまだ諦めがつくんですが、JR東日本では規則を変更しICカードの不利な有効日数の計算や途中下車の考え方をきっぷにも適用しているのはやっぱり腑に落ちません。
JR東海やJR西日本(岡山・広島エリア)でも、ICカードで乗車できるエリアが広がりましたが、きっぷとICカードで運賃制度に以下のような違いがあって、利用者に選択の余地があるような二重制度になっています。
- きっぷ…経路通りの運賃計算で途中下車や有効日数の扱いは従来通り
- ICカード…最短距離で運賃計算し、途中下車不可・当日限り有効
ちなみに今日10月1日から吾妻線の中之条、長野原草津口、万座・鹿沢口の三駅でSuicaが利用できるようになります。それに伴って吾妻線全線も東京近郊区間に編入されています。今回のような主要駅にSuicaを導入することによってなし崩し的に東京近郊区間を拡大するやり方だと、そのうち冗談抜きに東京近郊区間と新潟・仙台のSuicaエリアが繋がるんじゃないかと思っています。
都区市内制度適用の切符で有効1日途中下車不可はやはり違和感ありありですね…
ICカードの途中下車不可という使い方(考え方?)は利用者にも浸透しているので切符は従来の制度でいいと心から思います。
投稿情報: がらくた | 2014年10 月 5日 (日曜日) 22時52分
緑色の会社は相変わらずSuica命ですが、少しぐらい利用者のこと考えてほしいですよね。
投稿情報: 今出川 | 2014年10 月 7日 (火曜日) 23時10分