東京近郊区間再拡大
11月29日にJR東日本は「Suica の一部サービスをご利用いただける駅が増えます」というプレスリリースを発表しました。JR東日本では首都圏、仙台地区、新潟地区と3エリアでSuicaが利用できます。来年4月1日よりその利用エリアの外にある一部主要駅でSuicaで乗車できるようになるそうです。
対象は以下の各駅です。エリアにまたがっての利用は引き続きできません。
【首都圏】
- 中央線方面…長坂、小淵沢、富士見、茅野、上諏訪、下諏訪、岡谷、塩尻、松本、清里、野辺山
- 水郡線方面…上菅谷、常陸太田、常陸大宮、常陸大子
【仙台地区】
- 東北線…一ノ関、平泉
- 仙山線…作並、山寺
- 磐越西線…磐梯熱海、猪苗代、会津若松、喜多方
- 奥羽線…山形
- 陸羽東線…古川、鳴子温泉
【新潟地区】
- 羽越線…中条、坂町、村上
- 信越線…柏崎、直江津
- 上越線…小千谷
このうち、長野・山形・岩手県では初めてSuicaで在来線に乗車できるようになります。対象になった駅は特急停車駅など沿線で利用客が見込める駅です。以前、小淵沢駅から小海線のワンマンカーに乗った際に、Suica降りようとした客とトラブルになっていたのを見ました。小海線で対応するのは清里・野辺山の2駅だけですが、こういうトラブルは減りそうです。
ここまでは違和感なく読めていたんですが、その後段を読んで固まりました。新たに拡大されたSuicaエリアを近郊区間に設定し、エリア内最短距離で運賃計算する代わりに、当日限り有効・途中下車不可になります。首都圏と新潟地区は既存エリアに対しての拡大で、仙台地区は新設になります。新幹線経由の場合は除外されます。
以下の区間のきっぷは来年4月以降、当日限り有効・途中下車不可になります。
極端な例ですが、松本~いわき間は約450Kmで4日間有効であるものが、4月以降は当日限り有効になっておまけに途中下車もできなくなってしまいます。在来線乗り継いでも5時間はかかる距離なんですが…。
これまでJR他社でもICカードの利用エリアの新設・拡大は行っていますが、近郊区間の拡大とは必ずしもリンクしていません。それだけJR東日本の対応は異質に見えます。結局のところはSuica利用拡大に紛れて近郊区間を拡大し、メリットを強調しつつも実態は途中下車封じのようにも見えます。ここ数年でトクトクきっぷの廃止や改悪が進んでいてただでさえ旅行しにくくなっているのに、普通乗車券までこんなことされてしまっては、もう利用するなってことなのかと思ってしまいます。
この関連についてはまた続きを書きます。(たぶん)
こんばんは。以前、埼京線内某駅から上越線の後閑駅まで在来線経由で行ったことがあるのですが、高崎駅で途中下車しようとしたら「ここで乗車券は回収になりますけど…」と言われてびっくりした経験があります。券面をよく見たら「下車前途無効」とありました。上越線は水上までSuicaエリアになっていることを失念していたのです。
Suicaエリアは有無を言わさず途中下車不可というのは不便です。前もって乗車券を購入すれば途中下車できるようにならないのでしょうか。今思えば、大宮~高崎間を新幹線経由にしておけばよかったのですが…。
記事中の「松本~いわき間」の場合、東京~上野間を新幹線経由にすれば途中下車ができるのでしょうか。
投稿情報: 文山 | 2013年12 月 8日 (日曜日) 03時06分
まあ東日本が乗客のことを考えずに企業の論理だけで突き進むのは今に始まったことでなく、驚くに足らないのですが、一部駅のみカード対応しただけなのに、それに関係する全区間を近郊区間に指定するのはどう考えても、行きすぎですね。
さらに新設/拡大近郊区間では、選択乗車も廃止されます。確かに地域内での利用に関しては制度の重複ですので、整理したいのでしょうが、その地域外との移動については、本来選択乗車は必要なはずです。今後仙石線がらみでは遠距離券を持った人とトラブル続出するかもしれませんね。
まあ、新幹線の駅があれば、例によって近郊区間外しができるのが救いですが、これを山形新幹線すなわち福島-新庄間をつばさ利用の場合に限って近郊区間から外すと言っていますが、これもトラブル続出でしょうね。
現状この区間で普通列車利用する場合とつばさ利用をする場合と経由の表示が区別されているのかわかりませんが、まったく同じ線路を利用しながら、利用する列車によって切符の効力が大幅に異なるなんて、本当に混乱なく実施できるのでしょうか?
とにかく恐ろしい会社ですね。
投稿情報: かんくん | 2013年12 月 8日 (日曜日) 08時12分
紙の切符の利用を減らしたいんでしょうね。
不可能な事なのに・・・
来年四月一日は、他にも変更される点が有り、
どう見ても利便性を損なうだけでしかないモノが・・・
もうホントに勘弁願いたいです。
投稿情報: 三階 | 2013年12 月 8日 (日曜日) 10時18分
ここでは非難轟々、自分も少々やり過ぎな気がしますが、実態として普通乗車券で途中下車する一般人などいないのでしょうね・・・。
うちの会社でも、新幹線と特急の乗車ごとに乗車券を当然のように買おうとしたのがいたくらいですし。
新幹線、特急が通っていない区間へははじめから車で行く、普通列車含め何日もかけて乗り継いで目的地へ向かう、という利用方法はもはや鉄ヲタ以外誰もしないのかもしれません。だからといって廃止していいかは別ですが。
なお、途中下車不可になることを批判するため「いわき〜松本」が槍玉に上がるのを何度も見ますが、この区間こそ直通需要は皆無でしょう。
制度にちょっと詳しい人ならいわき側か松本側を一駅伸ばすだけで途中下車可になることは知っているでしょうし。
本当に影響をうけるのは今回延長区間でICに対応しない駅、例えば中央線の韮崎〜松本間の非対応駅でしょうね。
ICカードの利便性が受けられない一方、大都市近郊区間のデメリットだけはついてきてしまうと。一直線の区間ですから選択乗車などしようもありませんし。
投稿情報: _ | 2013年12 月 8日 (日曜日) 10時41分
ICカードと紙のきっぷを同額にするためなら、エリアを近郊区間に設定するのは適切な気がします。
むしろJR他社のほうがICカード優遇ですよ。
岐阜~名古屋~多治見は紙のきっぷだと290円も高いです。
ま、ICカードに限り1円単位の運賃を導入する東日本の対応と考えると、ちぐはぐな感じは否めませんが。
唯一のメリットは、仙台でも140円大回りができるようになることでしょうか。
投稿情報: naoto607 | 2013年12 月 8日 (日曜日) 18時32分
>文山さん
東京近郊区間は前回の拡大あたりから違和感があります。いわきが東京近郊区間の一部と言われてもピンときません。
下の方に書かれてる方がいますが、新幹線をかませる以外にも一駅先の近郊区間外の駅までか一つ手前の駅から買えば大丈夫です。松本~いわき間だったら草野まで買うか北松本から買うかといた感です。
>かんくんさん
JR東日本はJR他社に比べて、利用客を自社の都合に合わせさせる傾向が強いと思います。
私も山形新幹線の扱いは気になっていました。ミニ新幹線区間ではどっちを使ったか区別が付きにくいですし…。
>三階さん
利用客的にはこの先さらにどんな変更(≒改悪?)が待っているのか戦々恐々と言った感ですが…。
本社が机上や理想論で物事を決めて、現場に迷惑をかけるというのはどこの会社でもあることだと思います。私が以前いた会社でもありました。実際に現場で旅客対応される方には「ご愁傷さまです」としか言いようがありません。
>記号の方
一般人はほとんど途中下車制度を使わないという点は同意です。使っている人はヲタか慣れた人がほとんどでしょう。
ただ、利用客のメリットこそあれデメリットのない途中下車制度を事業者側が周知していた形跡はありません。元々できないと思い込んでいる一般人は制度を使わないのは当然だと思いますし、仮に知っていれば使う人はもっといたと思います。
大多数の一般人の無知をいいことに、利用客にメリットのある制度を闇討ち的になくしてしまうのはやはりやり過ぎな感じがします。
>naoto607さん
私はICカードのエリアと近郊区間は必ずしも一致させる必要はないと思っています。
今の東京近郊区間でも常磐線の友部以北や東海道線の茅ヶ崎以南など、他の自社路線と枝別れのない末端区間はある程度の距離を決めて除外すべきだと思います。
投稿情報: 今出川 | 2013年12 月 8日 (日曜日) 18時43分
もともと大都市近郊区間という制度自体が、
・路線網が稠密
・A駅からB駅まで複数の路線・ルートがある
・複数のルートがあれば、ルートの数だけ運賃がある
・発売時にいちいち確認するのは事業者、旅客とも面倒
・であれば最短経路で計算して迂回可、ただし途中下車不可
というまさに「大都市近郊」のための制度でした。
途中下車不可は本数が多いというサービスの対価という側面もありました。
松本やらいわきやら直江津やら新庄やらの1時間に1本の路線に適用していい制度のわけありません。
制度拡大に合わせて本数増発も絶対にあり得ないと断言できます。
制度本来の意味も考えず、IC=途中下車不可=紙の切符も不可にしたい=大都市近郊の制度が都合が良い、と思考停止したのは明白です。
・・・と憤ったところで、一般人は誰も気にしないですからね、実際。
こういうのは鉄ヲタがいくらぎゃあぎゃあ言っても無意味で、一般人が目に見える不利益を被らない限り鉄道会社のやりたい放題が実態なんですよね。
投稿情報: _ | 2013年12 月 8日 (日曜日) 22時42分
途中下車可否と有効日数の問題は、一般の方(と言って良いのか?)に余り馴染みの無い話である事は事実だと思います。
概ね一日で着けちゃいますものね。
これがまぁ、例えばジパング倶楽部というモノの会員の方々には大きな影響を与える話だったりするのです。
会員を増やせと言いつつその会員の利用範囲を狭める制度改正を推進しているのですから、滑稽な話です。
投稿情報: 三階 | 2013年12 月 8日 (日曜日) 22時53分
三階さん
すみません、大都市近郊の拡大とジパングに何か関係するんでしょうか?
ジパング割引の条件は片道・往復・連続で201km以上という営業キロだけで、近郊区間内相互でも割引の対象になりますよね?
東京→甲府→松本のように乗り継いで利用する客が4月からは途中下車できなくなるとか、そういうことを仰ってるのでしょうか?
それなら東のジパング倶楽部は、割引切符より遥かに有利な会員向けの特急乗り放題切符を頻繁に発売していますので影響は少ないと思いますよ。
投稿情報: ジ割30 | 2013年12 月 9日 (月曜日) 22時21分
三階さんは途中下車可否のことを仰っているんだと思います。
年齢対象外の私から見ると「大人の休日」のフリーパスはかなり魅力的ですが、発売日数は年30日程度しかないので超繁忙期以外使えるジパングと比べて頻繁とは言えないです。それにフリーパスは17000円or25000円とお値段もそれなりにするので、ジパング利用の代替にはならないと思います。
あと、「大人の休日」はクレジットカードを作らないといけないため、ウチの義両親のようなカード嫌いは年齢条件だけで加入できるジパングの方が都合はいいようです。
投稿情報: 今出川 | 2013年12 月10日 (火曜日) 19時24分
こんばんは、お久しぶりです。
近郊区間の設定と拡大の件について、新幹線とその在来線直通区間をわざわざ外す理由は何だろうか?とふと思ってしまいました。
仙台や新潟では、環状線があるとはいえ選択できるルートも多い訳ではありません。
そうした中では、次の点を天秤にかけてルートが変わることが多い気がします。
・新幹線に乗れば、特急料金がかかるが早く着く。
・普通列車に乗れば、多少時間がかかるが、安い。
もちろん、新幹線にSuicaで乗れないとか、東京近郊区間ですが、高崎→大宮→宇都宮を高崎→両毛→宇都宮で乗られるとたまった物ではないとか、専用改札がありチェックが容易とか、いろいろあると思いますが、……
ただし、Suica定期券を持っている場合、自動精算ができるので、そのメリットは大きい気がします。
(近頃はみどりの窓口の営業時間短縮、廃止が相次ぎ、事前に乗車駅発以外のきっぷを購入しづらくなっていますので。)
その外で言うと、近郊区間の拡大に関係のない新幹線関係の選択乗車区間は廃止になりますし、途中下車に代わるメリットがなかなか見つかりません。
東北線、仙石線の直通を計画しているにしても、そこだけ、特定区間に指定すれば用は足りるはずですので……。
投稿情報: 西の京 | 2013年12 月10日 (火曜日) 23時22分
言葉が足りなかった様で申し訳ないです。
途中下車可否の部分については省くとして・・・
有効日数の話を少しだけ。
例えば、東京⇔水戸は往復なら200km超えていますからジパングが適用できます。
併し水戸で二泊したい、という場合は有効日数が足りません。
そこで水郡線常陸青柳に逃がしたりするわけです。
水郡線まで拡大されると・・・(・ω・)
投稿情報: 三階 | 2013年12 月11日 (水曜日) 20時55分
東海・西日本(岡山&広島)はその点、うまくやっていると思いますね。
ICカード使用時の旅客規則と、きっぷ購入時の規則を完全に合わせる必要なんて、無いと思うのですが。
投稿情報: hachi3 | 2013年12 月12日 (木曜日) 06時38分
>西の京さん
お久しぶりです。
東北線~仙石線の乗り入れ時に当該区間に対して特定料金が適用されると予想していたんですが、全部近郊区間になってしまったのは完全に想定外でした。
>三階さん
そういったことだったんですね。ジパングの割引証は年間20枚だったはずなので、頻繁に使う人で割引証を節約したい場合はそういった使い方もありますね。ヲタだったら東京~上野を新幹線にする手口がありますが、窓口でそういう売り方するわけにもいかないですし…。
>hachi3さん
ICカード利用エリア拡大と近郊区間拡大を合わせる必要はないと私も思います。ただし、東海エリアや岡山・広島エリアは首都圏ほど環状を選択できるルートがないので、近郊区間を設定してもしなくてもあまり変わらなかったという側面はあると思います。
投稿情報: 今出川 | 2013年12 月12日 (木曜日) 22時49分
もうちょっとだけ補足を。
枚数節約ではなく、距離の問題です。
東京(上野)-水戸は100㎞以上200㎞未満なので、
往復じゃないと出せません。
それを常陸青柳なら伸ばしても金額が変わらないから、
という意味で書いています。
また、東京-上野に新幹線を入れるのは可能です。
ただ今回は話を分かり易くするために東京を基点としただけで、
問題の本質はそこではないのです。
例えば北千住-水戸の場合も同じように常陸青柳に逃がす事での回避が可能ですが、これが不可能になった際、じゃあ新幹線に逃がそうとは出来ません。
常磐線のこの周辺の駅からすれば、阿鼻叫喚ですよ。
似た様な所で甲府に対する身延線が有りますが、
JR東日本管轄じゃなくて良かった、というのが正直な所です。
結局長くなってしまったなー。
すみませんです。
長くなったついでにもう一つ。
12日プレリリースの「旅客営業制度の一部変更について」。
これを皆さんがどう受け取られるか分かりませんが、
我々は揃って「最悪だ」と結論付けました。
もうホントに何がしたいんだよ、と・・・
投稿情報: 三階 | 2013年12 月13日 (金曜日) 09時23分
水郡線の常陸青柳はないですけど、同じような理由で身延線の南甲府や東海道線の函南は使ったことがあります。
自由席券の制度改定は2日間有効で助かったことは何回かありましたが、そんなに影響はない感じです。でも、変わってから気づくことがあるかもしれません。
投稿情報: 今出川@青森 | 2013年12 月14日 (土曜日) 00時13分
自由席の有効期間は、必要な所には必要なモノなんですよw
東京駅のラッチ内出札とか・・・
ここの方に影響がなければ、
それはそれで少しほっとしました。
投稿情報: 三階 | 2013年12 月19日 (木曜日) 15時26分