あけぼの終焉へ
(青森駅)
まだJR東日本から正式発表はありませんが、寝台特急「あけぼの」が来年3月のダイヤ改正で廃止されるという報道が一部で流れました。巷でもそれほど驚きはなく、「来るべきものが来た」という受け止め方が大勢だったようです。何より車両の老朽化は進んでいますし、「あけぼの」沿線にある東北・秋田新幹線はE5・E6系の投入で高速化が進んでいます。でもそれだけだと、新幹線の恩恵がない秋田県北部や山形県庄内地方の利用者には納得がいかないかもしれません。
その報道が流れたせいか、早くも11月後半以降の「あけぼの」の指定が取りにくくなっています。週末の出発日だと発売日の早い段階で全席売り切れてしまうこともあります。ヤ○オクのような転売市場にも流れていますので、ますます取るのが難しくなりそうです。
「あけぼの」では羽後本荘~青森間で寝台を座席利用できます。寝台料金は不要です。比較的指定は取りやすいので、代案と言うほどのものではないですが、少しだけでも乗ってみたいという場合にはいいかもしれません。
下り「あけぼの」のB寝台については立席特急券で利用できます。立席は正式には「りっせき」と言うらしいですが、私はどうも「たちせき」と言ってしまいます。昔は確か停車駅のみで前日からの発売でしたが、今では全国の駅で1ヶ月前から購入できます。
金額は自由席特急券と同額ですが、枚数を限って発売しているため、自由席特急券で立席区間の利用はできません。このきっぷはハンコが押されているとおり、3・4号車の空席や通路の折り畳み席を利用できます。奥羽線・大館駅からだと「あけぼの」は青森方面へ行く朝一番の特急列車のため、結構利用客がいました。
上り「あけぼの」については立席特急券ではなく指定席特急券になります。こちらはその名のとおり座席が指定されています。A・B・C席が発売され、A席が窓側、C席が通路側で寝台に座ることになります。この指定席枠があるため、4号車の寝台は羽後本荘より先からの発売になります。こちらも青森から秋田方面への最終の特急列車を兼ねているので、比較的乗車率は高かった記憶があります。
これらの制度はかつて寝台列車が日本各地を走っていた頃は多くの列車で見られましたが、「北斗星」や「カシオペア」にはこの制度がなく、現在は「あけぼの」のみになっています。「あけぼの」が廃止されると常時購入できる立席特急券はなくなります。
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