ヌプリ
◆種別:特急
◆区間:函館~札幌(小樽廻り)
特急「ヌプリ」は7月から9月末まで開催されていた「北海道ディスティネーションキャンペーン(DC)」に関連して運転されたイベント列車の一つです。
(函館線・余市駅)
区間は函館~札幌間でしたが、室蘭線経由ではなく小樽廻りの函館線(いわゆる「山線」)経由で運転されました。山線経由の特急列車としては昭和61年まで運転されていた特急「北海」が思い出されますが、今回は「北海」ではなく「ヌプリ」という新たな愛称となりました。
ちなみに「ヌプリ」とはアイヌ語で「山」の意味だそうです。私はどうも海ばかりに目が行ってしまい、この沿線で山には注目することはあまりなかったんですが、駒ヶ岳・羊蹄山・ニセコアンヌプリ・余市岳など意外に(?)多く山があるそうです。
8月6日~31日まで毎日運転されたので一発モノの列車と違って容易に指定を取ることができました。4両編成のうち3両が指定席で指定席の割合が多かったのもあると思います。普通に特急券を購入すると結構お高いですが、札幌・小樽からニセコへ行く専用の往復割引きっぷが発売されていたようでした。
(ヌプリのロゴ)
車両はJR北海道札幌運転所のキハ183系でした。特急「オホーツク」で使用されているものと同等ですが、先頭車には山とKitacaのモモンガがデザインされたラッピングが施された専用の編成が充当されました。
(エゾリスのシート)
また、各車両の端には沿線で見られる動物を模した「ヌプリシート」なる座席があり、家族連れに人気でした。同じようなものが特急「旭山動物園」号でも見られます。
札幌 小樽 ニセコ 長万部 函館
8:04 → 8:51 → 10:39 → 11:48 → 14:00
18:29 ← 17:42 ← 15:56 ← 14:07 ← 11:43
※下り(札幌行)はニセコ駅で30分停車
運転期間中は函館線・森駅で「ヌプリ」の上下列車が交換するシーンが見られたようです。山線は室蘭線経由より距離は短いですが、こう配がきつく線形も悪いので時間を要します。ただ、それにしても臨時列車とはいえ札幌~函館間が約6時間というのは少々掛かり過ぎな感はあります。
往路の特急券は見てのとおり黒松内まで購入していたんですが、結局往復とも札幌~ニセコ間の乗車でした。私が乗車した日は夏休み終盤の土曜日だったので、ソコソコ混み合っていました。上り列車(函館行)はニセコ駅でほとんどの客が降りてしまい、空気輸送状態となっていました。函館方面まで通しで乗車するのは鉄ヲタぐらいだったようです。
ニセコ駅で降りた客はほとんどがキャンプや登山に行くようで、バスや迎えの車に乗って目的地へ散っていきました。道外の人間からするとニセコはスキーリゾートのイメージが強いですが、夏は夏でそれなりの集客力がありそうです。私もバスに乗ってニセコアンヌプリに登ってきましたが、ちょうど登る頃に曇ってしまい大した景色は見えませんでした。
(ニセコ駅)
これまでJR北海道はニセコ方面へは冬のスキー列車しか運転していませんでしたが、夏のニセコの集客力に気づかされたようで、来年の夏も区間を函館~小樽間に短縮して「ヌプリ」号を運転させる方針だそうです。
最近のコメント