A列車で行こう号
◆種別:特急
◆区間:熊本~三角(1日2往復)
三角線は鹿児島線・宇土駅から分岐するローカル線です。熊本と天草・島原方面への連絡という役目があり、終点の三角港から船が発着していましたが、天草諸島に橋が架かったことやモータリゼーションにより三角港の役割が低下し、それに伴って三角線の利用客も減少しました。かつては急行「火の山」の一部列車が三角発着で運転されていましたが、国鉄末期には熊本発着に短縮され、それ以来三角線で優等列車の運転はなくなりました。
昨年3月の九州新幹線が全線開業し、三角線に観光列車を走らせ、熊本と天草諸島を結ぶ観光ルートを活性させようという機運になりました。そこで熊本~三角間で運転されることになったのが特急「A列車で行こう」です。最初名前を聞いた時には冗談かと思いました。
(熊本駅)
車両はJR九州大分車両センターのキハ185系を改造した専用の編成で、通常は熊本車両センターに常駐しています。種車は特急「阿蘇のゆるっと博」で使用されていた車両で、同列車運転終了後に改造したものです。列車のコンセプトは「南蛮文化が渡来した天草をモチーフに、ヨーロッパをイメージした大人の旅を演出」とのことで、黒と金色を基調とした落ち着いたカラーリングです。
(車内のカウンターバー)
大人向けということで車内にはカウンターバーもあり、実際にお酒を楽しみながら旅することもできます。また、南蛮文化をテーマとしているため、車内は至るところステンドグラスがはめ込まれ、天井まで装飾されています。
内装は一つ一つじっくり見てみると面白いですし、飽きないです。内装ばかり見ていると沿線の景色やカウンターバーでお酒を楽しむこともできなくなります。なので、熊本~三角間でたった40分の乗車時間はあまりに短すぎます。もう少し長い区間乗りたかったのが正直なところです。なお、今年の頭以降しばしば博多発着で運転されているようですので、タイミングが合えば博多発着で乗りに行きたいものです。
この列車は全車指定席なので、事前に指定席特急券を押さえておく必要があります。発売後すぐに満席になるような列車ではありませんが、土休日のみの運転で発売座席数が84席と少ないので、直前では取れない場合も考えられます。このきっぷは九州ネット予約で予約しました。ちょうど「九州新幹線一周年限定乗り放題きっぷ」の発売期間中だったため、往路の1号は満席になっていました。
ちなみに密かに気になっていたA列車のAは天草(Amakusa)と大人(Adult)のAだそうです。案外適当ですね…。
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