つなげよう日本
▼種別:特急(団体専用)
▼運転区間:横浜~青森(IGR・青い森鉄道経由)
昨年10月の3連休に「東日本周遊の旅」というパックツアーが発売されました。JR東日本秋田車両センターの583系の「つなげよう日本」号という団体専用列車で早朝に横浜駅を出発して、14時間かけて青森駅まで北上します。青森駅からは横浜から来た583系の座席を寝台にセットして「ゴロンとシート」とし、「つなげよう東北」号として羽越線・酒田駅まで向かいます。酒田駅からは485系に乗り換えて「つなげよう日本」号として新潟駅まで南下します。新潟駅からは上越新幹線で戻るという修行の如くひたすら列車に乗りまくるツアーでした。
最初にこのツアーの概要を知ったとき「ようやるなぁ…」と思いました。私は乗り鉄は好きですが、ひたすら乗るだけの旅は良しとしない考えです。しかも、こういった鉄ヲタを相手にしたツアーは多少高くてもヲタの食い付きがいいので、お値段は高めというのが常です。
しかし、ツアーのパンフレットを見て考えが変わりました。鉄ヲタを詰め込んで問答無用で東日本一周引き回されるかと思っていたんですが、途中の仙台・盛岡・青森・秋田・新潟の各駅で途中離脱ができたのです。しかも、福島駅と仙台駅では1時間停車し、駅ナカで買い物をして震災で落ち込む地域経済にわずかながらも貢献するという趣旨もありました。そのために両駅で使用できるクーポンが1000円ずつ付いていました。
当初からその3連休は盛岡に行く予定で、当地で会う後輩との待ち合わせは夜でした。横浜~盛岡間は2000円分のクーポンと弁当×2が付いて14500円でした。別に急ぐ旅ではないし、ツアー代金も思ったより高くなかったので、新幹線以前のように583系で11時間かけて盛岡に行くのも悪くないかなと思い、参戦してきました。
乗車票の乗車券部分です。途中、福島駅と仙台駅で1時間ずつ停車するお買いものタイムがあるので、途中下車できるようになっています。乗車票にも「福島・仙台駅で途中下車できます」と明記されています。
指定券部分の列車名は「583系つなげよう」という変な列車名になっています。「つなげよう日本」号は583系で横浜~青森間、485系で酒田~新潟間で運転されるので、車両形式を入れて両者を区別した感です。種別は特急か快速か明確な記載はなかったんですが、ツアーの資料に特急券云々というくだりがあったので、いちおう特急列車としました。定期列車の間を縫って走っているので、スピード的には普通列車といい勝負なんですが…。
横浜駅に進入する「つなげよう日本」号です。シール貼りのヘッドマークは絵柄の「みちのく」となっていました。特急「みちのく」は東北新幹線開業前まで上野~青森間を常磐線経由で結んでいた列車でした。そのヘッドマークのデザインとほぼ同じです。今回は東北を一周するのでこのマークにしたんだそうです。
横浜駅を発車した時点で乗車率は2~3割でした。新宿・大宮駅にも停車しましたが、さほど乗客が増えることはなく、ほぼそのままの乗車率で、1人で1ボックス占拠できる程度でした。私はヲタ満載の状況を想像したんですが、割と普通の家族連れなんかも乗っていて、意外な客層でした。あと、車内での会話の内容からJR東日本の社員っぽい団体も居たようでした。
(福島駅)
福島駅に停車する「つなげよう日本」号です。元祖「みちのく」は常磐線経由だったので、福島駅を通ることはありませんでした。なので、なかなか面白い組み合わせだと思います。福島駅では横断幕のお出迎えもありました。しかし…。
(横断幕)
横浜支社発足15周年記念号???ツアーを申し込んだ乗客的には全然そんな話聞いてないんですけど…。添付のパンフレットには一言もそんな記載がありません。まぁ支社発足記念の列車だったら社員っぽい乗客がいくら乗っていても何ら不思議はありません。でも、半分社員旅行で仕立てたような列車に社員(+その家族)と何の関係もない鉄ヲタが混在しているのは、お互いに違和感があるように思います。
3~4割の客が仙台駅で離脱したようでした。1時間の買い物時間は必要にして十分でしたが、「地域経済への貢献」という意図があるのであればクーポンはたった1000円ではなく3000円とか5000円とかもっと多くすべきだと思いました。そうでもしないと鉄ヲタは鉄道以外にお金を使いません。
(盛岡駅)
11時間は案外退屈せずに過ごせました。この頃は毎日トラブル続きで夜遅くまで仕事に追われる生活が続いていたので、大好きな583系に乗って何もせずのんびりと息抜きができたのはよかったです。今度のダイヤ改正で583系最後の定期運用である急行「きたぐに」が季節化されます。これによって583系に乗ることがますます難しくなりそうなので、大騒ぎになって乗れなくなる前に乗っておきたいと思っています。
ちなみに私と同じく盛岡で離脱した人も少々いました。結局最後まで離脱せずに一周した人がどれだけいたのか、今さらながら興味があります。
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