新幹線回数券削減
先月、JR東日本は2月から3月にかけて一部トクトクきっぷの発売を終了することを発表しました。個人的には「ぐるり北海道フリーきっぷ」や「土・日きっぷ」の廃止が痛手でしたが、利用者の減少と「えきねっと」やモバイルSuicaの会員数増加を理由として新幹線絡みの回数券に大ナタが振るわれています。
私がこのリリースを見て新幹線用の回数券について気づいたことは以下のような感じです。カッコ内は該当する廃止区間です。
- 八戸乗換の「東京・青森回数券」「東京・三沢回数券」「仙台・三沢回数券」は普通車用・グリーン車用とも全廃(9区間)
- 大宮(~川口・戸田公園間)発着の新幹線回数券は普通車用の郡山・仙台(市内)・新潟・長野発着を除き廃止(26区間)
- グリーン車用の新幹線回数券は東京(都区内)~仙台(市内)・新潟・軽井沢以外は廃止(10区間)
- 大宮(~川口・戸田公園間)発着の「北陸回数券」は普通車用・グリーン車用とも全廃(6区間)
今年末の東北新幹線延伸時に廃止が確実な八戸乗換の全廃はともかく、36区間が4区間になる大宮発着の回数券の減りっぷりに驚きました。新幹線に乗っていると大宮駅での乗り降りは決して少なくないように見えます。ただ、長距離になればなるほど東京(都区内)発着との差額がなくなるので、乗客の数ほど回数券の需要はなかったのかもしれません。いずれにしろできるだけ新幹線の割引はしたくないという意図が感じ取れます。
廃止区間の回数券を探してみたところ、手持ちが少々ありました。現在の「新幹線回数券」となる前の「上越新幹線回数券」のものですが…。改称されるタイミングで大宮単駅発着から今のような「大宮~川口・戸田公園」というエリアに変わりました。
また、東京(都区内)発着も普通車用で12区間廃止になっています。上毛高原駅をはじめ東京(都区内)との回数券がなくなる駅は自駅発着とする回数券自体がなくなります。
いろいろ意見はあるかと思いますが、売れ行きの悪い商品の改廃は仕方がないことだと思います。鉄道会社に限らずどこの会社でもやっていることです。その代わり知恵を絞って売れる商品を考えて欲しいものです。個人的には有料会員制でもいいので「えきねっと割引」の早割みたいなものがあるといいと思います。現在の「えきねっと割引」の割引額は距離によって100~700円なので、はっきり言ってショボいです。乗車券+特急券がセットになった事前購入割引の「トクだ値」は割引率は魅力ですが、乗り遅れた場合は乗車券・特急券とも無効になるのでリスクが大きすぎて手を出しにくいです。
また、最近の携帯にはモバイルSuicaアプリがプリインストールされていることもあり、会員数が増えて確実に普及は進んでいるようです。しかし、私のように普段の電車に乗るときや買い物には使っても、新幹線では使ったことはないというユーザーはかなり多いのではないかと思います。旅先でもモバイルSuicaで新幹線に乗っている人を見たことがありません。ある程度普及はしたけれども、新幹線利用まで深耕されていない状態です。需要を測る数値としては会員数より実稼動数のほうが重要だと思います。
先日、いくつかの理由が重なってついにviewカードを作りました。(ただし、私自身はエクスプレス特約が必要になっての作成です)
さすがに、目に見える価格差がつくとヘビーユーザーの中には同様の動きをする人間が居るかもしれません。
そういう意味では、モバイルSuica誘導が成功していると東日本が考えていてもおかしくないでしょう。
一方で、私自身も最低一度試す気はありますが、PASMO持ちである以上、おそらくSuicaグリーン券およびエクスプレス予約専用カードになるだろうなといまのところ思っているのが実情です。
携帯電話で長距離列車に乗るというのは、抵抗感のある人間も多いと思うだけに、東海のようなICカード方式の方が広まるのではないかと思います。実際、見た感じではあちらのが普及している印象ですし。iPhone等のスマートフォンも非対応ですし尚更。
そのあたりも含め、実稼働数で冷静に吟味してくれればと思います。
投稿情報: 常緑樹 | 2010年2 月18日 (木曜日) 21時49分
モバイルSuica特急券は安くて便利なんでしょうけど、私がきっぷヲタであることを差し引いても携帯電話で長距離列車に乗るという心理的抵抗が大きいです。
iPhone向けに有料のえきねっとアプリがあったと思いましたが、あれは全然ダメですね…。
投稿情報: 今出川@上越 | 2010年2 月20日 (土曜日) 18時25分