奈良・大和路フリーきっぷ
(ゆき)
(かえり)
首都圏・名古屋地区から奈良および吉野・室生地区までフリーになるきっぷです。フリーエリアへは名古屋廻りの関西線経由と、京都廻りの奈良線経由が選択できます。乗車券部分のみで特急料金は含まれていないため、新幹線等に乗る場合は別途特急券を買い足す必要がありますが、繁忙期の利用制限のない通年発売で、出発地とフリー区間との間での途中下車もできます。
この券はあいにく普通の大人券ですが、トクトクきっぷには珍しく学割の設定があります(学割証は必要)。あと、注意書きに「普通急行列車の普通車の自由席を利用して、ご旅行できます」という文言は急行「かすが」の利用を念頭に置いたものだと思いますが、「かすが」は平成18年3月で廃止になっています。だからこの文言は現在ではほとんど意味がないと思います。
これらの特徴から昔の周遊券に性格が近いきっぷです。
【フリー区間】
- 関西線…伊賀上野~奈良~王寺
- 奈良線…京都~木津(全線)
- 桜井線…奈良~高田(全線)
- 和歌山線…王寺~橋本
- 近鉄京都線…京都~大和西大寺(全線)
- 近鉄大阪線…大和八木~室生口大野
- 近鉄奈良線…大和西大寺~近鉄奈良
- 近鉄天理線…平端~天理(全線)
- 近鉄橿原線…大和西大寺~橿原神宮前(全線)
- 近鉄吉野線…橿原神宮前~吉野(全線)
- 奈良交通バス
- エヌシーバス
奈良近辺での利便性を考慮してか近鉄線がフリーエリアに入っているのが特徴です。京都~奈良間はJRと近鉄で激しい乗客獲得競争をしているのに不思議な感じがしますが…。近鉄線は竹田駅から京都市営地下鉄と相互乗り入れして奈良方面と直通しているため、京都市営地下鉄の京都~竹田間も含まれるとより良いと感じました。
【ひとこと】
横浜市内~奈良(京都経由)の往復が16380円するので、ほんの140円足すだけでフリーエリアが劇的に広がります。国鉄時代から発売されているロングセラーですが、あまり知られていません(特に首都圏では)。
「奈良・大和路フリーきっぷ」は7月15日出発分までで発売終了し、出発地から京都までの往復新幹線特急料金が含まれた「奈良・大和路遊々きっぷ」に衣替えされます。フリーエリアは変わらず、「奈良定期観光バス」の割引特典が付与されるようです。
個人的には「奈良・大和路フリーきっぷ」+エクスプレス予約の方が安い上に、経路上での途中下車はできなくなって、名古屋廻り関西線経由での利用もできなくなって、繁忙期の利用制限も加わるので、歓迎できない商品改訂です。
使い勝手…★★★★★
お得感…★★★★☆
当日発売…あり(7月15日出発分まで)
小児用…あり
【追記:2009/8/30】
「奈良・大和路フリーきっぷ」は平成21年7月15日出発分を以って発売終了したので、カテゴリーを追加しています。
細かいツッコミで恐縮ですが、近鉄橿原線は大和西大寺~橿原神宮前、吉野線は橿原神宮前~吉野です。
フリーエリアがJR線だけではなく近鉄線が入っていますし、結構使い勝手が良さそうですね。
この地域をJR線だけで観光となると、少し大変な感じもしますから…。
投稿情報: 鉄道部長 | 2009年6 月16日 (火曜日) 22時05分
近鉄線のご指摘ありがとうございます。こっそり修正しました。
バスのフリーエリアも東大寺・春日大社や法隆寺などバスがあると便利な観光地は一通り網羅されていて、よく考慮されているなと思います。
投稿情報: 今出川 | 2009年6 月16日 (火曜日) 23時28分
かつて急行東海が走っていた頃は往復に利用することもでき、便利でお得でした。銀河など京都停車の寝台列車も廃止されてしまった現在では往復新幹線利用という行程以外あまり現実的ではありません。よって新幹線特急券込みの発売額のほうが一般的な利用者にとって分かりやすい商品なのかもしれません。
投稿情報: マルス2号 | 2009年6 月17日 (水曜日) 09時20分
廃止されるのですか。残念です。
現在都内在住で近鉄沿線に実家がある私は、帰省の度にこのきっぷを重宝していました。
通年発売、途中下車可、急行自由席利用可の他、ドリーム号周遊利用券を別途購入すれば、東京~名古屋・京都間のドリーム号に
乗車出来るというメリットもありました。
この組み合わせで乗車可能と言うことを知る駅員に巡り会うことはなかなか無く、購入の度に時間がかかりました。
投稿情報: 鹿男 | 2009年6 月17日 (水曜日) 10時25分
>マルス2号さん
「一般的な客」からしたら確かにそうかもしれません。
ただ、都区内発が27500円で、横浜市内発が26200円なので割高感があるのは否めません。
>鹿男さん
重複コメント(4つ)は削除させていただきました。
JR東海のHPに発売終了の旨が出ています。東日本はまだ更新されていません。(16日現在)
周遊利用券を買えばドリーム号の利用も可能でしたね。周遊利用券は周遊券なき今、なかなかお目にかかれない代物だと思います。
投稿情報: 今出川 | 2009年6 月17日 (水曜日) 21時46分
〉今出川さん
確かに割高感=値上げ感がありますね…もうひと踏ん張り安い設定にしてほしかったところです。
ただ通年発売のJR他社絡みの商品は整理される傾向にありますので、形を変えたとはいえ残っただけマシなのかもしれません。
投稿情報: マルス2号 | 2009年6 月17日 (水曜日) 23時03分
その昔は、名古屋←→京都はちくまも利用可能でした。
今では、利用可能な急行は米原←→京都のきたぐにしかありません。
そういう意味では、急行自由席利用というのはいささか時代にそぐわないという感じがします。
ただ、それ異常の魅力のあるきっぷであることは事実だと思います。
ドリーム号のことも考えると、周遊きっぷに衣替えと言うのが一番現状維持に近そうですが、近年の流れも考えると、それも、難しいのでしょう。
投稿情報: 西の京 | 2009年6 月17日 (水曜日) 23時05分
横浜フリーきっぷといい、国鉄時代からの商品が次々姿を消していきますね。鎌倉・江ノ島フリーきっぷもいつまでもつのでしょうか(「山手線内発」という常備券時代を思わせる発駅設定が泣かせます)。
投稿情報: よこりん | 2009年6 月19日 (金曜日) 21時19分