伊那路号
◆種別:特急
◆運転区間:豊橋~飯田(1日2往復)
特急「伊那路」は飯田線初の特急列車として平成8年3月に登場しました。豊橋~飯田間を165系の臨時急行「伊那路」が走っていましたが、車両をJR東海静岡車両区の373系に置き換えて、臨時急行から定期特急としました。同じく373系を充当された特急「東海」や快速「ムーンライトながら」の運転開始と同じタイミングです。
当時の飯田線は定期優等列車が全廃になっていて、8年ぶりの復活でした。優等列車はなくとも、平成3年に開業した佐久間レールパーク向けに今は亡き「ゆうゆう東海」や快速「トロッコファミリー」を、イベント用に「ゲタ電」と呼ばれる旧型国電を走らせたりして、趣味的には面白い路線でした。
「伊那路」という固有名詞は列車名以外で聞いたことがないので、おそらく造語だと思います。飯田線北部に長野県伊那市という街がありますが、この列車は伊那市の手前の飯田までです。かつて飯田線には豊橋駅から北上する急行「伊那」と、辰野駅から南下する急行「天竜」という列車がありました。ルーツを辿れば「伊那」を名乗るのが正当なんですが、伊那市まで達しないのに「伊那」を名乗るには違和感があったようで、後ろに「路」を付けて苦し紛れに「伊那路」としたような印象を受けます。個人的には「伊那路」よりは「天竜」の方が好みですが。
同時デビューした「東海」や「ムーンライトながら」が相次いで廃止となる中、運転開始から増えることも減ることもなく2往復の運転です。上り下りとも豊橋駅で東京方面との「ひかり」に接続しています。私が2~3回乗ったときはいずれもガラガラでしたが、それなりの需要はあるのかな?と思います。373系は運用に余裕が出てきたので、試しに飯田から駒ヶ根や伊那市まで北上させてみてはどうかと思うんですが…。
飯田線は天竜川に沿うようにして走る急峻な山岳区間が長いため、スピードが上がりません。特急列車のくせに表定速度は時速50Km程度です。373系は120Km出せる性能がありますが、飯田線では持て余し気味です。
<急行「伊那3号」・昭和55年10月>
豊橋(10:56)
→本長篠(11:33)/中部天竜(12:15)/天竜峡(13:35)/飯田(13:55)
<特急「伊那路1号」・平成21年3月>
豊橋(10:08)
→本長篠(10:45)/中部天竜(11:20)/天竜峡(12:22)/飯田(12:37)
同じ時間帯の同じ区間で比べてみました。約30年であの線形の区間を30分短縮しているので格段の進歩ではあるんですが、特急料金を徴収するにはやはり「遅い」という印象は否めません。無理に特急化する必要はなかったように思います。
写真は飯田線・中部天竜駅で撮影したものです。
季節延長で駒ヶ根や伊那市まで延長運転する時がありますが、お盆の軒並み数日だったりしますね。かつては「しなの」の383系投入で運用に余裕のある381系が一往復していましたが、その時はその運用の列車が駒ヶ根行でした。
投稿情報: MT54 | 2009年5 月27日 (水曜日) 13時25分
今回のダイヤ改正で飯田停泊の運用ができ、1→4号の折り返しにも時間に余裕がありますから、伊那市だとちょっと慌ただしいですが駒ヶ根なら何とかなりそうな気がしています。
投稿情報: 今出川 | 2009年5 月27日 (水曜日) 23時52分