北条駅にて
(常備軟券)
信越線・北条(きたじょう)駅は新潟県柏崎市の外れにあります。この駅にはかつて上の写真のような新幹線特急券の常備軟券が売られていました。金額も予め印刷されており、4280円は繁忙期の長岡~東京間の特急料金に相当する額です。通常期や閑散期用は金額も用紙の色も異なります。様式として国鉄時代からあったようですが、機械化とともになくなり、発売する駅は北条駅だけになっていました。「新幹線特急券」ではなく「新幹線指定席特急券」となっているのが特徴的です。
その北条駅が平成16年8月末を以って委託解除し無人化されると聞いて買いに行ってきました。係員の爺さんは電話で柏崎駅へ空席照会をし、慣れた手つきで発券してくれました。どうやら元国鉄職員だったらしいです。また、私と同じものを同じように現地まで買いに来ていた同業者もいました。東京都区内までの乗車券も買いましたが、JRでは珍しくなった鋏が現役で使われていました。
無事所望のものを買い終え電車を待っていたところ、駅に現金書留が届きました。爺さんが「こんなもんが届いたよぅ」と見せてくれました。中には9万円近い現金と便箋が入ってました。
手紙の内容を要約すると
- 自分たちは大阪の「愛好家の団体」で、遠方ゆえ時間がなくてそちらまで買いに行くことができないから郵送できっぷを送って欲しい。
- AAA円区間…X枚、BBB円区間…Y枚と細かく枚数を記入
- 可能であれば日付を入れずに売って欲しい。
- それを折曲がらないように梱包材封入の上書留で送り返して欲しい。
とのこと。当然、私と同業者が買った4280円の新幹線特急券の常備軟券も3枚(!)も含まれていました。直前に2枚売れたので在庫は残念ながら1枚になっていましたが…。手紙の出し主はきっぷ収集をやっていれば一度は名前を聞いたことがある大阪の超有名な業者からだったので、「愛好家の団体」と言うのは方便でしょう。
「可能であれば」という限定付きでも無日付での発券や乗りもしない列車の指定席を要求するのは感心できません。爺さんも「日付ナシで売ったら(JRに)怒られるわなぁ~」と言ってました。さらに、書留で送り返すということは爺さんが郵便局の営業時間内に窓口へ行かなければなりません。「売れ筋商品」を仕入れるために、ずいぶん好き勝手なこと言ってるよなぁ~という印象を受けました。
ちなみにそれらのきっぷが大阪の店頭でいくらに化けたかは知る由もありません(爆)
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