あさかぜ
▼種別:特急
▼運転区間:東京~下関(1日1往復)
▼最終運転日:平成17年2月28日
「あさかぜ」廃止のニュースを聞いた時はびっくりしました。ブルートレインの象徴のような列車でさえ利用者減には勝てず廃止になってしまう時代なんだなということを改めて実感しました。
歴史は古く、昭和31年に東京~博多間の寝台特急として登場しました。昭和33年には20系寝台車を投入し、その豪華さから「走るホテル」という異名をとりました。利用は好調だったようで、昭和43年には同区間に1往復、昭和45年には東京~下関間に1往復増発されました。
昭和53年までに20系客車から24系25型客車に置き換えられ、JR化直後の昭和62年4月には1・4号にシャワー室・デュエット(2人用B寝台)、平成2年3月には2・3号にシングルデラックス(1人用A寝台)・ラウンジカーが連結されるようになりました。同じ列車でも設備が違うのは1・4号がJR九州、2・3号がJR西日本の車両だったためです。
順調に見えた「あさかぜ」でしたが、平成5年に1・4号で食堂車の営業を休止したあたりから暗転します。平成7年12月に東京~博多間の1・4号が廃止になり、2・3号の東京~下関間の本州内のみの運転となりました。1往復の状態で約9年持ちこたえましたが、ついに昨年2月末で廃止となりました。新幹線と飛行機との競争激化の影で徐々に存在感がなくなっていった印象があります。
小さい頃買ってもらった子供向けのブルートレイン本に「あさかぜ1号」の乗車ルポが載っていました。それを読んで「あさかぜ」に乗って一度九州に行ってみたいと思いを馳せました。しかし月日は流れ、知らぬ間に博多乗り入れの1・4号が消え、残る1往復も風前の灯となった廃止4日前<ちょうど去年の今日>にようやく乗ることができました。
当初は東京駅から乗る予定でしたが、仕事がどうしても終わらず一旦キャンセルしました。しかしなんとか仕事が片付き、最終の一本前の名古屋行きの「ひかり」で追いかけ、名古屋から乗れました。名古屋から「あさかぜ」で九州上陸とはいきませんでしたが、ある程度かつての「思い」を果たすことができました。
このきっぷは新幹線に乗る直前に東京駅で購入しています。乗継割り引きにすればよかったんですが、既にエクスプレス予約で新幹線の指定を取ってしまっていたため単独の購入となりました。
機関車の写真はその時に下関駅で撮影したものです。あれから1年が経とうとは早いもんです…。
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