事故の余波
今年の3月2日に土佐くろしお鉄道宿毛(すくも)線の終着宿毛駅で特急「南風17号」が車止めを乗り越えて駅舎に激突し11人が死傷した事故が起こりました。
この事故で宿毛駅は大破し、宿毛線全線(中村~宿毛間)が不通となり高知方面からの宿毛行の特急列車もすべて途中の中村駅で折り返しとなりました。4月に入って宿毛のひとつ手前の東宿毛駅までが部分開通し、特急列車も東宿毛駅まで乗り入れるようになりました。宿毛駅との行き来は代行タクシーが運転されていました。
きっぷは今夏の足摺岬観光の帰りに東宿毛から「南風」に乗って帰ったときのものです。スタンパーは宿毛駅のものをそのまま流用していました。東宿毛駅は普段は普通列車しか停まらない無人駅ですが、不通の間はきっぷ売りの職員が常駐していて、狭い待合室で慌しく乗車券や特急券を発行していました。あと、ホームの長さが2両分しかないため、3両編成の特急列車の3両目の客は2両目から乗り降りしなければなりませんでした。
この11月に入りようやく宿毛まで復旧し、以前と同じく特急列車が乗り入れるようになりました。 もっとも、もともと赤字経営だった上に、不通の間の運賃収入は減少し、復旧費に多大な費用がかかりました。このほどまとめられた経営健全化計画では来年のダイヤ改正で普通列車を大幅減便し、再来年春には宿毛駅発着の特急列車を全便中村駅発着に短縮するそうです。赤字→減便→利用者減→廃止という最近のローカル線にありがちなスパイラルに陥らなければいいんですが…。
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