神岡鉄道
国鉄神岡線は昭和41年10月に開業した比較的新しい路線で、高山線の猪谷から神岡(現:奥飛騨温泉口)まで延びる19.9Kmの短い路線でした。しかし雪深い山間部を走るせいか開通当初から大赤字で、国鉄改革の際に「第一次特定地方交通線」にリストアップされ、廃線の危機に瀕しました。
そこで周辺自治体が出資して神岡鉄道を設立し、国鉄神岡線を転換して昭和59年10月に運行を開始しました。もっとも、転換したからと言って劇的な乗客増が見込めるわけもなく、沿線にある神岡鉱山の濃硫酸輸送に経営を依存していました。車両も写真の「おくひだ1号」と「2号」の2両だけで、どちらかと言うと貨物がメインの鉄道です。
平成17年3月で神岡鉱山の濃硫酸輸送がトラック・タンクローリーに切り替えられ、鉄道貨物による輸送は終了しました。鉄道収入の7~8割を貨物に依存する経営だったので、途端に経営危機となり、同年6月の取締役会にてあっさり廃止の決議を行い、今年11月末での廃線が決定しました。
実際に乗ってみて猪谷~神岡鉱山前間は人家がまばらで、乗客もほとんど私一人でした。貨物輸送があったとは言え、よく今まで残っていたなというのが正直な感想です。
きっぷは食券のようなペラペラの感熱紙のきっぷしかなく、補充券や硬券の存在を聞いてみたところ、「ない」と無愛想に一蹴されました。よって、きっぷ収集的面白みは皆無に近いです。JR側からのマルス連絡券を買ってみるのもいいかもしれません。暖かくなったらもう一度行ってみようとと考えています。ちなみにこのきっぷは「平成5年」ではなく「2005年」です。
写真は豪雪の奥飛騨温泉口駅で撮影したものです。
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