乗車券往復割引きっぷ
「乗車券往復割引きっぷ」はJR北海道の割引きっぷ見直しの一環で発売終了となった「Sきっぷ」・「Rきっぷ」の代替として昨年3月から発売されているトクトクきっぷです。
その名のとおり特急料金が分離され、乗車券のみの往復割引きっぷとなりました。トクトクきっぷから特急料金を分離して乗車券のみにするのはJR東日本が大好きなやり方で、最近こういう手法もよく似てきたなと感じます。
ただ、「Sきっぷ」・「Rきっぷ」が全面的に「乗車券往復割引きっぷ」に置き換えられたわけではなく、方面によって方針が分かれました。具体的には札幌を基点として、函館方面と帯広・釧路方面は「乗車券往復割引きっぷ」に置き換え、旭川・稚内・網走方面は既存の「Sきっぷ」・「Rきっぷ」が存続というダブルスタンダードとなりました。
さらに函館方面の特定の区間については既存の「Sきっぷ」との価格差が大きくなりすぎないよう、専用の特急券のオプション券が発売されています。配慮は配慮としてありがたいんですが、だったらそもそも特急料金を分離する必要があったのか疑問です。増収を狙ったのなら既存の「Sきっぷ」・「Rきっぷ」の値上げ・有効期間短縮でよかった気がします。
(ゆき)
(かえり)
こちらは私が利用した苫小牧~札幌間の「乗車券往復割引きっぷ」です。普通運賃で往復2900円のところが2280円なので、約2割引にはなっています。
ただし、これでは普通列車にしか乗れません。特急列車に乗るには特急券が必要です。特急「すずらん」の自由席が利用できる「すずらんオプション特急券」は330円なので、往復利用するとトータル2940円です。それまで発売していた同区間の「Sきっぷ」が3040円だったので100円安くなっています。
しかし、特急「北斗」・「スーパー北斗」を利用する場合は正規の特急料金が必要になります。そうなると片道1130円追加で、自由席往復だと4540円となり、「Sきっぷ」より1500円も割高になります。実に50%近い値上げです。往復とも「すずらん」を使えば安くなりますが、片道でも「すずらん」を使わないと高くなります。「すずらん」は1日6往復の運転で、運転間隔は最低でも1時間半、下手したら4時間以上開く時間帯もあり、「すずらん」縛りの使い勝手は決してよくないです。
JR北海道は今回の見直しについて「種類が多く、 分かりにくさを解消し、よりスリムな商品体系に改めるため」としています。苫小牧~札幌間という短距離客を「すずらん」に誘導したいという意図は分からんでもないですが、同じ区間を走る同じ料金の特急列車でこれだけの格差が出るのは無理があります。よくこんな制度が社内の決裁を通ったなと思います。
次回は併用した「すずらんオプション特急券」について取り上げます。
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