リゾートあすなろ下北
◆種別:快速
◆区間:新青森~大湊(青い森鉄道経由・1日1往復)
平成22年12月の東北新幹線全線開業に伴って、青森県の観光用のリゾート列車としてHB-E300系「リゾートあすなろ」が投入されました。当初は新青森~蟹田間の快速「リゾートあすなろ津軽」が1往復、新青森~大湊間の快速「リゾートあすなろ下北」が2往復運転されました。
私は「下北」の運転を知ったとき、どうしても腑に落ちないことがありました。
「なぜ八戸ではなく新青森発着にしたのか??」
東北新幹線全線開業に伴っての運転のため、新青森を起点とした下北半島への観光ルートを構築したいというのはわからんでもないです。青森や日本海側・北海道方面からの利用は確かに便利だと思います。でも、八戸より南の東北新幹線沿線から下北半島へは今も昔も八戸経由が主要ルートです。首都圏や仙台からだと青森を経由するメリットはありません。
そこで、検証がてら大湊~盛岡間で経由別の所要時間の比較をしてみました。
【大湊~盛岡間の比較】
大湊との所要時間 新幹線駅~盛岡 時間計 運賃
新青森経由 1時間50分 47分 2時間37分 5320円
八戸経由 1時間40分 28分 2時間08分 4240円
新青森廻りの方が30分程度ロスしている上に運賃も1000円以上高いです。運賃については遠距離逓減があるので出発地によって差は縮まるかと思いますが、所要時間の差はどうしようもありません。また、八戸に停車しない新幹線は1日2往復だけなので、利便性の差はあまりないと思います。
(青い森鉄道・野辺地)
「下北」は全車指定席で、青森~野辺地間は東北線を転換した青い森鉄道を経由しています。ただし、青い森鉄道線内完結の指定券が発券できないため、その区間完結の利用はできません。必ず指定券にJR区間が含まれる必要があります。運転士・車掌はJRの要員が通しで乗務していました。
510円という指定券の料金を見てわかるとおり、青い森鉄道部分の指定席料金はありません。青い森鉄道は苦しい経営になることが見込まれ、全線転換開業時に運賃を大幅値上げしました。JR時代に740円だった野辺地~青森間の運賃は1010円になりました。少しでも収入を増やす必要があるのは自明なんですが、100円でも200円でも指定席料金を設定して収入を増やそうという発想はないようです。モーリーグッズと違って製造原価はかからず在庫リスクはないのにです。
肝心の乗車率は「津軽」の惨状に比べれば良好で、6~7割は埋まっていました。途中の青森駅での乗降が多く、観光客よりは地元の人の方が多い感じでした。平成24年12月のダイヤ改正で2往復から1往復に減便し、1往復を八戸~大湊間の快速「まさかり」に振り替えました。
(4両併結運転:青森駅)
かつて1号については新青森~青森間は「津軽」と併結された4両編成で運転され、青森駅で分割作業を行っていました。減便に伴い旧ダイヤの1・2号が運転取り止めになったので現在は行われていません。1往復になったものの号数は残っていて、今でも3・4号として運転されています。
私個人的には「リゾートあすなろ」は乗客の少ない津軽線の運用を取りやめ大湊線に集約し、「下北」の存続と「まさかり」の置き換えに充当すべきだと思います。県内政治的にそうはいかない部分はあるのかもしれませんが…。
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