リゾートビューふるさと号
◆種別:快速
◆区間:長野~南小谷(松本経由)
世界初の営業用のハイブリッド式気動車は平成19年から小海線で運転されているキハE200形です。キハE200形は試作的な意味合いもあり、運転の過程で量産用に向けたデータ収集も行われたようです。昨年、そのE200形と同じ機構でリゾート用の気動車を新製しました。それがHB-E300系です。
キハE200形・HB-E300系はいずれも蓄電池を搭載し、発車時には蓄電池に貯めた電気でモーターを動かします。ある程度スピードが乗るとディーゼルエンジンも駆動し、モーターを動かして加速します。減速する際にはモーターで減速エネルギーを電気に変換し電気を蓄電池に戻します。機構としてはプリウスと同じと理解しました。
(車番表記)
なお、気動車でありながらHB-E300系から「キハ」が付かなくなりました。こういう電力でもディーゼルでも動く車両が出てくると電車と気動車の境界線があいまいになり、従来の命名規則で不都合が出るのは仕方がないのかもしれません。
(信濃大町駅発車サイン)
HB-E300系のうち1編成2両がJR東日本長野総合車両センターに配属されました。そして、昨年10月の「信州ディスティネーションキャンペーン」に合わせて、長野~南小谷間の快速「リゾートビューふるさと」として金~月曜日と祝日に運転されています。「ふるさと」という愛称は公募で選ばれたそうですが、公募の割に案外普通だなぁ…というのが第一印象でした。
(大糸線・穂高)
キハE200形は小海線で何回か乗ったことがあったんですが、HB-E300系に乗るのは非常に楽しみでした。走り出しは気動車特有のエンジン音はなく、むしろ電車に近い感じでした。一瞬、気動車に乗っていることを忘れてしまうぐらいです。30~40Kmぐらいになってからエンジンがかかってようやく気動車らしい走行音になります。でも、加速の感覚は電車に近いものがありました。
運転当初はなかなか指定が取りにくかったようですが、運転開始からしばらく経っていたため余裕で取れました。当日の乗車率は3連休初日でありながら6~7割程度でした。車掌は専用のチケッターを持っていました。
この列車は松本駅で方向転換しますが、アルプスの山々の景色を楽しむのであればD席が、逆に善光寺平の風景であればA席が良いです。また、客室内の通路上の何箇所かにモニタがあり、先頭車から眺めた展望風景や沿線観光地のイメージビデオのような映像が楽しめます。
乗客の多くは松本駅で入れ替わりました。篠ノ井線部分は上下とも特急「しなの」に抜かれるのでそちらに流れた人もいたと思います。通しで乗っていたのはヲタばかりでした。また、長野~白馬間はオリンピック道路経由の特急バスだと1時間ちょっとで着いてしまうので、単純な所要時間比較になってしまうと列車はちょっと厳しい感です。
個人的には気動車であることを活かして、大糸線の非電化区間(南小谷~糸魚川間)までの乗り入れを期待したいところです。会社が変わるので厳しいかもしれませんが。
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