4枚きっぷ常備券
JR九州で発売している「4枚きっぷ」にはわずかながらまだ常備券があります。常備券を発売するのは都市部から外れた小さな駅ですが、最近ではPOS化や無人化が進んでいて、最近では数えるほどになっています。
(本体)
(表紙)
これは昨年私が使った福岡市内~佐世保間の「4枚きっぷ」の常備券の本体と表紙です。最近ではなかなか見られなくなってきた冊子型です。発売箇所は「早岐駅」のスタンプがありますが、実際は大村線・小串郷駅の発行です。表紙に発売箇所の押印がないのはたぶん押し忘れたんだと思います。
小串郷駅は長崎県川棚町にある駅です。私が訪ねた時は駅前の桜がちょうど満開でした。POS端末がない簡易委託駅で、乗車券は手売りです。一通りの補充券に他に、企画きっぷは同区間の「2枚きっぷ」もありました。
駅前広場の坂を少し下ると穏やかな海が広がっていました。小串郷駅は戦況が悪化していた昭和19年に横須賀にあった海軍の魚雷艇訓練所がこの地に移転してきたのを機に開業しました。志願してきた多くの若い兵士がこの地に降り立ち、後に特攻隊員として出撃していきました。
戦後に訓練所が廃止され、用途を失った駅も合わせて廃止になりそうになりましたが、町や地元住民が存続運動を行った結果存続し現在に至っているそうです。地元のそんな思いもあってこうして簡易委託が続いているのかもしれません。
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