24時間耐久トワイライト
昨年秋より北海道新幹線の開業準備のため、青函トンネルを走行する夜行列車の時刻変更や運休になっている日があります。昨年末~今年年明けにかけては夜行列車がすべて運休となっています。繁忙期に夜行列車を運休させたことに対しJR側の「やる気」を疑う声もありましたが、それはちょっと違うように感じました。
上の画像は国土交通省鉄道局が公開していた資料に記載されていた平成22年の青函トンネルのダイヤです(クリックすると拡大します)。午前1時~3時半の間は列車の運行がなく、おそらく保守に充てられた時間帯なんでしょう。その前後には旅客列車(緑線)よりはるかに多い本数の貨物列車(赤線)が走っています。
年末年始のような旅客の繁忙期は貨物の閑散期でもありますから、貨物列車の運休が発生します。貨物列車が少ない期間に旅客列車も運休にして、北海道新幹線の試運転や点検の時間をより長く確保したかったという意図の方が大きいのではないかと思います。
ここから本題に入ります。惜しまれつつ3月のダイヤ改正で廃止となった寝台特急「トワイライトエクスプレス」も時刻変更する日が設けられました。
大阪 札幌
下り所定 11:50 →→ 9:52 22時間02分
下り変更 11:50 →→ 10:44 22時間54分
上り所定 12:53 ←← 14:05 22時間48分
上り変更 16:53 ←← 16:12 24時間41分
上下とも変更されて所要時間は伸びており、上り列車は驚きの24時間超えです。大昔はありましたが、JRになってからは聞いたことがありません。私にとって運転時間24時間を超える列車と言えば、かつて東京~鹿児島間を日豊線廻りで29時間かけて運転されていた急行「高千穂」が思い起こされます。
これがその時のきっぷです。発着時刻を見ると札幌→大阪間がわずか41分のようにも見えますが、これは当然ながら24時間41分です。同じ区間をコンコルドで飛んでも41分はたぶん無理です。
(札幌駅発車案内)
北海道内のダイヤは停車駅の違いはあったものの、ダイヤは概ね寝台特急「カシオペア」と同じでした。なので、「カシオペア」の運休日に「トワイライト」の時刻変更が設定されていました。
その時に撮影した札幌駅発車時の車内放送と車窓の様子です。到着時刻の案内は車内の案内の後に5分30秒あたりから始まります。
ダイヤの変更に伴い、食堂車の利用時間帯も変更になっていました。ディナータイムは17時半~21時だったのが18時~21時半に30分後倒しになるとともに、パブタイムは30分遅れの21時半から始まり通常通り23時で終了したので30分短縮されていました。モーニングは通常通りでしたが、13時~16時に通常の上り列車では設定されないランチタイムが設定されたのはこの列車ならではでした。
この記事のタイトルは「24時間耐久~」としていますが、耐久と言うほど苦行ではありませんでした。廃止間際のこの時期に「トワイライト」に乗る人は大概物好きで、24時間以上乗れることを楽しみにしていたような人ばかりでした。もちろん私もその一人でした。
雪深い北海道から荒れる日本海に立山連峰、白山・琵琶湖から大阪のビル群までの車窓をのんびり眺め、時折うつらうつらしつつ何もしない贅沢な時間を過ごしていました。むしろ楽しかったので、荒天で時折大遅延が発生する時期にも関わらず、大阪にはほぼ定刻に着いてしまい物足りなさを感じたぐらいです。寝台列車も全廃間近ですから、近々こういう時間の過ごし方ができなくなるかと思うとやはり残念な気持ちで一杯です。
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