サンライズ瀬戸
◆種別:特急
◆運転区間:東京~高松(1日1往復)
(高松駅)
東京~高松間で運転されている寝台特急「サンライズ瀬戸」は平成10年に登場しました。それまで同じ区間を客車で運転されていた寝台特急「瀬戸」を電車化して、愛称も新たに「サンライズ瀬戸」としました。昨年3月に寝台特急「富士」・「はやぶさ」が廃止された今、東京駅を発着する唯一の寝台列車です。東京~岡山間は同時期に登場し同じ車両を使用する寝台特急「サンライズ出雲」と併結運転され、岡山駅で分割・併合を行います。
(ミニロビー)
このために583系以来31年ぶりに寝台電車(285系)を新製しました。寝台はプライバシーに配慮して全て個室となり、シングルデラックス(A寝台1人用個室)、サンライズツイン(B寝台2人用個室)、シングルツイン(B寝台1・2人用個室)、サンライズシングル(B寝台1人用個室)、サンライズソロ(B寝台1人用個室)とノビノビ座席(普通車指定席扱い)があります。あいにく食堂車やビュッフェはありませんが、ミニサロンやシャワー室があり夜を快適に過ごせるような工夫があります。
(車両側面)
車両の外観は従来のブルートレインのイメージを一新し、夜明け(サンライズ)をイメージしたベージュ色と赤の塗り分けになっています。また、内装は大手住宅メーカーのミサワホームが担当し木目調の内装に暖かな照明といったこれまでの鉄道車両にはない特徴があり、この列車の導入を決めた当時のJR西日本の相当な気合いを感じます。車両はJR西日本後藤総合車両所(出雲支所)とJR東海大垣車両所の所属ですが、JR東海の車両はJR西日本に運用・管理を委託していて、大垣に帰ることはほとんどありません。外観上の違いもなく、車番で区別するしかありません。
ダイヤは以下のようになっています。新幹線の最終より遅く出て、始発より早く着けているので、夜行列車のメリットは活かされていると言えます。
東京 横浜 静岡 姫路 岡山 高松
下り 22:00 22:24 0:20 →→→ 5:26 6:27 7:27
(始発:東京 6:00 → 岡山 9:12/9:32 → 高松10:25)
(最終:東京20:30 → 岡山23:58/0:17 → 高松 1:27)
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上り 7:08 6:44 4:38 ←←← 23:35 22:33 21:26
(始発:東京 9:33 ← 岡山 6:08/ 5:45 ← 高松 4:36)
(最終:東京23:32 ← 岡山20:09/20:03 ← 高松19:10)
また、盆暮れの繁忙期には高松~松山間で延長運転されることがありますが、四国内だけの乗車はできないよう制限がかかっています。
私は何回も乗っていますが、残念ながらノビノビ座席がほとんどです。このきっぷもノビノビ座席のものです。ノビノビ座席は二段敷きのカーペットになっている「ザコ寝」車両です。乗車券と指定席特急券だけ乗れる上に横になって眠れるので人気があります。一人当たりの区画は一応決まっていて、頭の部分に間仕切りがあって寝顔が見られないようにはなっています。A・Dが2階でB・Cが1階です。ノビノビ座席の車両は電動車なので、1階はどうしてもモーター音がうるさいですが、2階はカーテンを閉めても外の明かりが入ってきて眩しかった記憶があります。
この列車(車両)が登場した時には衰退の一途を辿る寝台特急の救世主的存在になれるかもしれないと思い、仮に285系の交直流型が登場すれば九州方面の寝台のテコ入れができるなぁ…と大いに期待したものですが、その期待に反して285系は登場以来増備されることなく、交直流型が登場することもなく、昨年春に九州方面の寝台特急は全廃されてしまいました。やっぱり寝台列車は今の時代苦しいのかもしれません。
なお、今回はノビノビ座席の指定券を紹介しましたが、この列車の寝台券は独特なので追って紹介していけたらと思います。
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