出羽
▼種別:特急
▼運転区間:上野~秋田(1日1往復)
▼最終運転日:平成5年12月1日
「出羽」とは山形県~秋田県にかけての旧国名です。急行「出羽」は元々は気動車急行で、上野~酒田間を東北線~陸羽東線~陸羽西線~羽越線という経由で結んでいました。昭和57年11月に寝台特急化されるとともに秋田まで延長され、日本海廻りに変更となりました。
<出羽号・昭和60年12月>
上野(21:40)
→鶴岡(5:43)/酒田(6:22)/羽後本荘(7:37)/秋田(8:19)
山形県庄内地方には少々朝早過ぎる感がしますが、秋田に着く時刻はちょうどいい時間です。当時の時刻表を見てみると、上野~秋田間では奥羽線系統では昼行特急「つばさ」・寝台特急「あけぼの」・夜行急行「津軽」、日本海廻りでは臨時昼行特急「鳥海」・臨時夜行急行「天の川」が走っていて実に多士済々です。この「出羽」もA寝台1両にB寝台11両という堂々たる長編成でした。鉄道が長距離輸送の主役だった時代を感じさせてくれます。
国鉄からJRになってからも車両も運転区間も特に変わらず運転されましたが、平成5年12月に寝台特急となっていた「鳥海」と統合される形で廃止となりました。その「鳥海」も平成9年3月に上野~青森間の「あけぼの」を日本海廻りに経路変更することにより統合・廃止となっています。上野~秋田間を結ぶ夜行列車は現在「あけぼの」の1往復のみです。
くしくもその平成9年に秋田新幹線が開通し、東京~秋田間は乗り換えなしで4時間を切るようになりました。それ以外にも航空網や高速道路の整備も進み、11時間もかけて結ぶ夜行列車は時代とともに役目を失った感があります。写真は上野駅に進入するところを撮影したものと思われます。
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