広野
常磐線は東日本大震災と福島第一原発事故の影響で今も一部区間が不通となっています。現在の不通区間は広野~原ノ町間と相馬~浜吉田間です。そのうち相馬~浜吉田間は津波による線路流失による不通で、内陸に移設した上で平成29年春を目標に工事が始まりました。
逆に広野~原ノ町間は原発事故の影響のため、復旧の目途が立っていません。原発事故直後から周囲が立ち入り禁止となってしまったため、震災から2年以上経った今でも全体の被害状況が把握できていない状況です。
(広野駅から不通区間を臨む)
所用でいわきに行ったついでに広野駅まで足を伸ばしてみました。広野駅のある広野町は一昨年3月の震災直後は「緊急時避難準備区域」に指定され町民は町外に避難していましたが、半年後の9月に解除され再び住めるようになっています。いわき市に移転していた役場機能も昨年3月に広野町に戻しています。
(広野駅前)
ただし、実際に帰町したのは震災前の人口の13%(今年2月現在:福島民報調べ)だそうで、依然多くの町民が避難したままのようです。私が広野駅に降り立った際も、駅前には商店やタクシー会社があって生活感はあったんですが、実際に人が生活している気配がせず妙な静けさが漂っていたのが印象に残りました。
駅にはPOS端末が設置されていて乗車券や自由席券が購入できます。震災前は特急「スーパーひたち」が停車していましたが、マルス端末の設置はなかったようです。
ところで、広野町の隣の楢葉町の町長がJR東日本に対して不通となっている常磐線・広野~竜田間の来年春の復旧を要望したそうです。楢葉町は町の大部分が警戒区域に入っていたものが昨年8月の避難区域再編で避難指示解除準備区域となり人の立ち入りができるようになりました。JR東日本としても前向きに進めるとのことで、広野駅は近いうちに元の常磐線の中間駅に戻ることになりそうです。
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