阿佐海岸鉄道の券売機撤去
阿佐海岸鉄道の駅は3駅あります。JRと接続駅である海部は無人(以前は簡易委託を行っていましたが最近は行っていないようです)で、終着の甲浦は委託駅で、車庫やCTC制御所もある中間駅である宍喰のみが直営駅です。
昨年4月の消費税増税に伴って、阿佐海岸鉄道やJR四国では運賃値上げを行いました。各社ではそれに伴うシステム変更を行っていますが、阿佐海岸鉄道ではちょっと珍しいことが起きました。
宍喰駅にはこのような年代物の券売機1台があったんですが、消費税増税と券売機の老朽化に伴って3月31日で使用停止としたことです。阿佐海岸鉄道は開業以来一度も黒字を計上したことがない会社ですから、使用頻度の低い券売機の更新には金をかけられないという経営判断だったんでしょう。
そして、きっぷは窓口で発売することになりました。以前、松浦鉄道・佐々駅でも使用停止していた券売機を見かけたので、地方の中小私鉄では珍しいことではないのかもしれません。でも、阿佐海岸鉄道は硬券に移行したのです。硬券が登場したのは少なからずヲタによる「大人買い」も期待したものと思われます。同社のHPには画像付きで発売しているきっぷの紹介があります。
券売機で発売していたのはこのようなツッコミどころ満載のきっぷでした。宍喰から海部接続のJR連絡券なんですが、「四国会社線」となっていて、地紋もJR-SとあたかもJR四国のきっぷのようです。阿佐海岸鉄道で発売したのはどこを見てもわかりません。宍喰~海部間は当時240円で、差し引き1580円がJRの運賃で徳島駅相当になります。
ちなみにこの券売機は千円札に対応しておらず、窓口で500円玉に両替してもらう必要がありました。私も1820円のきっぷを買うために千円札2枚を500円玉4枚に両替してもらってから購入しました。そんな券売機だったので、 あまり役に立っていなかったのかもしれません。
わが家から徳島までは遠いのでなかなか行けませんが、硬券が手に入ったらまた紹介したいと思います。
ここは開業初日、その後ネットで気づいた買いもらし購入等で何度か行った記憶がありましたが、そんな恐ろしい券売機とは気づきませんでした。
今回、老朽化の他、税率8%引き上げ後、短期間で10%への再引き上げが予定されていたことも大きかったようです。せっかく券売機を更新しても、最短1年半程度で更新のためにさらに費用を負担するのはできないとの判断でしょうか?
券売機を更新せずに手発売に戻した例は、佐々に限らず、そこそこ見られ、かの大井川鐵道もかつては金谷・新金谷に券売機があったはずです。(千頭もあったような記憶が…これはよく覚えていない)まあ大井川の場合、券売機設置時も硬券併売でしたから、劇的な復活ではなかったですけどね。
同様の理由で、車内券発行機を廃止した社線もあったようです。特に井原鉄道は窓口売り・車内売りとも車内券発行機のみが原則(駅は一応補充券もあった)だったのを廃止したため、手売りの車内券・駅売り用常備軟券が開業以来初めて設定されました。こちらはなぜかあまり有名になっていないようです。(井原駅の券売機は廃止されず、新運賃対応となりました)
投稿情報: かんくん | 2015年1 月 3日 (土曜日) 22時05分