トワイライトエクスプレス

トワイライトエクスプレス

◆種別：特急

◆区間：大阪～札幌

　今年は大人しくしている予定でしたが、思いのほかいろいろと出かけました。今年は鉄道の比率が下がって飛行機の割合が大きく増えるとともに、列車での長距離移動はめっきり減りました。

 

　そんな私の中での今年一番のトピックは８月に念願だった寝台特急「トワイライトエクスプレス」にようやく乗ることができたということです。これまで２回乗車を試みましたが、いずれも直前の悪天候や事故で運休となってしまい、まさに３度目の正直での乗車でした。

 

　「トワイライトエクスプレス」は元祖豪華寝台の先駆けで平成元年に登場しました。大阪～札幌間を日本海廻りで約２２時間かけて結び、日本一の長距離列車でもあります。寝台特急はブルートレインとも呼ばれ青い車体が特徴でしたが、「トワイライト」については緑一色に黄色の帯とし、これまでのイメージを一新しました。

 （ステンドグラスの装飾がある食堂車）

 （日本海側に向いたラウンジカー）

　広々とした展望室・ラウンジカーや豪華な食堂車やディナー、多彩なバリエーションの個室寝台など、これまでにない設備とサービスでどこか薄暗くて無機質だった寝台列車のイメージを大きく変えました。国鉄からＪＲになって新しいことを始める意気込みのようなものを感じましたし、単なる移動手段の一つだった寝台列車が、移動を楽しみ乗ることが目的となる存在に変化した契機の列車でした。

　運行開始以来、安定した人気を保っていましたが、今年５月に車両を所有するＪＲ西日本は来春での「トワイライトエクスプレス」の廃止・運行終了を発表しました。車両の老朽化を理由としていましたが、私はそれ以外にも２つ要因があったと考えています。

　１つ目は再来年春開業予定の北海道新幹線の準備です。北海道新幹線は青函トンネルで走行試験を行うため、走行試験中は在来線の列車（旅客・貨物問わず）は走行できず、ダイヤに制約が生じてしまいます。現に今年１０月から運転時刻が一部変更となっています。

　そして２つ目は来年３月の北陸新幹線開業に伴って、北陸線・金沢～直江津間が並行在来線としてＪＲから切り離され各県ごとに出資する第三セクターに移管されます。また、廃止を免れた江差線・木古内～五稜郭間も北海道新幹線開業を機にこちらも第三セクターに移管されます。そうなると、ＪＲ西日本～北陸線三セク会社（三社）～ＪＲ東日本～ＪＲ北海道（青函トンネル）～江差線三セク会社～ＪＲ北海道と７社の路線を跨って走ることになり、運行管理や要員のやりくり、それに運賃制度も複雑になることは容易に想像がつきます。

　北海道新幹線が開業する頃には廃止を含めた大きな動きがあるとは思っていましたが、廃止は予想より１年早かったなという印象はあります。結果的には速さを捨てて乗ることを目楽しむ列車が、速さを優先する新幹線の都合によりに駆逐されてしまうことになります。

　さて、困ったことに廃止が発表されたとたんにきっぷが取りにくくなるのはいつものことで、直後からヤフオクでは「トワイライトエクスプレス」の寝台券は高騰し始めました。もともと人気だった「スイート」や「ロイヤル」はもとより、普通の２段式Ｂ寝台でも定価の倍以上の価格で取引されることも珍しくなくなっています。先日は定価９７２０円のＢ寝台が４５０００円で取引されているのを見ました。 ここまで来たら狂気の沙汰です。

　幸い私はそんな転売市場の世話になることはなく、ＳＮＳで知り合った長野の人から定価で譲ってもらい、嫁と一緒に乗ることができました。発売箇所は「びゅうプラザ長野」になっているのはそのためです。今年はそういった縁にも恵まれた年でもありました。

　寝台名の「シングルツイン」という英語は正直ヘンだと思います。基本は１人用個室ですが、補助ベッドを使用することにより２人用個室にもなるというものです。この料金は大人２名分のもので券面には「１人用　大人２名」の記載があります。この他にＢ寝台２人用個室は「ツイン」という部屋があります。「ツイン」は２３室で、「シングルツイン」は１２室なので、「シングルツイン」の方が競争は厳しいということになります。

 

　これまで２回裏切られているので、大阪駅に車両が入線するまでは正直半信半疑でした。でも、ちゃんとホームに止まっていたのを見てようやく安心できました。そして、大阪駅を発車し「いい日旅立ち」が流れてきた時には、長年の憧れが現実になりちょっと震えました。これでＪＲのきっぷに列車名が入る優等列車（要するに全車自由席の列車は除く）はすべて乗車したことになり、鉄ヲタとしての達成感のようなものもありました。

　大阪から札幌までの２２時間の旅はあっという間に過ぎて行きました。もう少し長く乗っていたいと思う時に限って、定刻で着いてしまうものです。一つ一つの出来事を書いても書き尽くせないので止めておきます。一度下り列車に乗ってしまうと、今度は上り列車にも乗ってみたいという欲が出てきました。

　上２枚の列車の走行写真は室蘭線・糸井駅で撮影したものです。手持ちのデジカメが直前で壊れてしまい、iPhoneのバースト機能で撮った痛恨の写真でもあります。なんとか運行終了までにデジカメでリベンジしたいとは思っています。

【年末ですね…】

　この記事が今年最後になります。私個人的には年内は今日３０日まで出勤で、年明けも元旦～２日（夜勤）・４日と出勤なので全然年末年始という実感はないです。このブログは来年９月で何とか１０周年を迎えます。好き勝手に書いていますが、金とヒマと気合のどれかが欠けない限りは続けていきますので、今後ともどうぞご贔屓に。