ちどり
◆種別:急行
◆区間:広島~三次
昨年7月~9月にかけて大型観光キャンペーン「広島ディスティネーションキャンペーン」が実施されました。それに関連して「トワイライトエクスプレス」の車両を使用したランチクルーズ列車や普段滅多に稼働しない「サロンカーなにわ」を使用した観光列車が設定されました。
これら2列車が旅行会社が募集する団体専用列車で、一般向けの臨時列車としては8月31日~9月8日の土日4日間に広島~三次間で急行「ちどり」が運転されました。
「ちどり」は昭和28年に米子~広島間で運転された臨時快速列車をルーツとし、昭和41年に急行化されました。山陽と山陰を結ぶ陰陽連絡の主力優等列車として活躍していましたが、その後並行する国道の整備が進み伯備線が電化され陰陽ルートのメインルートの地位を奪われると本数減少・区間短縮を繰り返し、平成14年に急行「みよし」に統合される形で廃止となりました。
「ちどり」はキハ28・58系で運転されていましたが、JR西日本では全て廃車になっています。そこで苦肉の策として現役のJR西日本山口鉄道部のキハ48系2両を国鉄色に変更し、リバイバルっぽく運転することにしました。
(芸備線・三次駅)
外観はこんな感じでした。種別幕は「急行」でヘッドマークも付いているので、往年の雰囲気は割と出ているように見えます。ただ、私個人的には「ちどり」に乗ったのは平成一桁の頃だったので、くすんだ濃緑色の塗装の方が印象に残っています。
(キハ48-1004の側面)
よく見てみると上の写真のとおり、窓枠は延命工事のためか新しいタイプに取り換えられていますし、車番のフォントもJR西日本のフォントになっていて、リバイバルと言うには中途半端な印象は受けました。車両が全廃されてしまっているのでどうしても仕方がない面はあるんですが…。
この列車は全車指定席で運転されました。ちなみに「ちどり」の現役時代末期は全車自由席でした。運転日が4日間設定されたので、どこか片道ぐらい取れるだろうと余裕かましていたんですが、案外取りにくくて苦労しました。私はe5489でロングシート席ながら何とか押さえました。e5489の急行料金の設定がない区間なので、無割引の料金と同額でした。
結果的に9月8日の往復に乗車しました。指定券は完売だけあってほとんど埋まっていました。こういうヲタ列車だと指定券の売れ行きに反してガラガラということもままありますが、この列車についてはそんなことはありませんでした。沿線に撮り鉄もたくさんいました。広島地区はこういった類の列車が運転されることが少ないですから、それだけ注目度も高かったんだと思います。
また、この国鉄色は塗装を塗り替えたものではなく、既存の塗装の上からカッティングシートを貼ったものでした。カッティングシートの値段というのはよくわかりませんが、かえってコストが高そうな印象を受けました。9月8日の運転を終えた後はすぐにカッティングシートを剥がして元の塗装に戻し、山口に返却されたようです。個人的にはしばらく国鉄色を見たかった感じがします。
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