知内
(知内駅駅名板)
津軽海峡線・知内駅は平成2年に開業しました。昭和63年3月の津軽海峡線開業当初は「新湯の里信号場」と称して旅客扱いはありませんでしたが、地元(知内町)の請願によって常設駅に昇格しました。
かつて知内町は松前線の沿線でしたが、松前線が昭和63年1月で廃止となっていたため鉄道駅がなくなっていました。なので、2年の空白を経て鉄道が復活したとも言えます。松前線は町の中心部を通っていましたが、知内駅は中心部からだいぶ外れで人家も多くありません。定期的な利用客は数人程度いたようですが…。
(知内駅を発車する列車)
北海道新幹線の工事が佳境に入り、開業後の知内駅の動向は密かに注目していました。現在も上下2往復しか停車しない駅に新幹線を停車させるとは思えませんでしたが、江差線から1両編成のディーゼルカーが直通運転するぐらいならあるかなと思っていました。なので、昨年9月に今年3月14日での廃止の発表があった際には大きな驚きはありませんでした。ただ、廃止時期は思ったより早かった感じはしました。
(左の小さな出入口が知内駅)
開業以来ずっと無人駅ですが、駅舎と建物を共用する「道の駅しりうち」できっぷの委託販売をしていた時期がありました。前出しの総販券だったようですが、あいにく手持ちがありません。平成21年4月に委託販売を終了しており、きっぷの類は発売していません。
昨年10月よりJR北海道函館支社では江差線関連に続き知内駅関連のきっぷを2つ発売しています。
このきっぷは木古内駅で発売している知内駅までの常備軟券の往復乗車券です。木古内駅にはマルス端末が設置されているためこういう乗車券は発売されていませんでした。知内駅最終日の3月14日まで在庫限りで発売するそうです。なお、この乗車券を使って当日中に列車で木古内~知内間を往復するには以下の2パターンしかありません。
木古内 知内 木古内
朝 8:47 → 8:55/ 9:38 → 9:46
夕 16:32 → 16:39/20:02 → 20:09
朝のルートで往復する人は多く見られました。知内駅には松前線代替バスのバス停がありますので、そちらからアクセスすることも可能です。
(表面)
(裏面)
このきっぷは同じく木古内駅で発売されていた知内駅来駅記念の入場券です。記念様式のD型硬券です。裏面には「知内駅のあゆみ」が印刷されています。発売箇所はあくまで「JR知内駅」となっています。相変わらず日付が右側にある様式には違和感がありますが、記念品としては面白いものだと思います。残念ながらこのきっぷは売り切れたようです。
知内駅は3月14日で廃止となります。駅関連の設備は取り壊されるかもしれませんが、信号場としての機能は残りそうです。信号場から常設駅に昇格したものの、また信号場に戻るという珍しい運命を辿ることになりそうです。
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