仕事納め’11
昨年末のこと。トラブル対応ですべての作業が終わったのが12月30日の午前4時過ぎでした。暖房が止まって寒くなった会社で始発を待つまでの間、もうすぐ終わろうとしていた一年を振り返っていました。鉄ヲタ活動を含む私生活ではまずまずでしたが、週の大半を過ごす職場では何かに取り憑かれたとしか思えないほどロクなことがない一年でした。
やがて地下鉄の始発が動き出す時間になり、駅へ向かいました。しかし、疲れと眠気を取るために真っすぐ家に帰るよりも、どこかで一年で溜まりに溜まった災厄を落としたい衝動に駆られました。私は自宅とは逆方向の東京駅へ向かっていました。この場合、私にとっては「どこか=京都」だったからです。
年末の帰省ラッシュ初日だったので当然の如く「のぞみ」の指定は満席で、自由席も多くの人が並んでいて朝早くから激混みでした。空席状況もほとんどの列車が×(満席)を示していました。これを見てちょっと萎えそうになりましたが、ダメ元でエクスプレス券売機を触ってみると、朝一番の「のぞみ1号」の「普通車指定席で喫煙ルーム近くの席」が△になっていました。
ここで携帯からエクスプレス予約で座席位置を指定せずに予約してみたところ、発車7分前で通路側ながらあっさり取れてしまいました。IC乗車票だと普通に乗車券+特急券を買うより1250円安上がりになっています。嫁には「ちょっと寄り道してから昼過ぎに帰る」と行き先は告げずにメールだけしておきました。
一年で最後の幸運に感謝しつつ「のぞみ1号」に小走りで乗り込みました。指定席のデッキまでいっぱい人が立っていました。後で聞いたところによるとこの列車の自由席の乗車率は180%だったそうです。発車後、徹夜勤の疲労と睡眠不足で新横浜駅に着く前には沈没してしまい、目が覚めた時には米原駅を通過していました。
四条大橋から眺めた鴨川の様子です。朝日が眩しいです。東京からちょうど3時間で鴨川の景色が見られるなんて、不思議な気分でした。
四条通を東へ進んだ先斗町の様子です。この辺りがいわゆる「祇園」です。朝早いせいかとても静かで、どこか張りつめた凛とした雰囲気が漂っていました。もう少し時間が遅くなると観光客で賑わいますが、この時間は地元の人や仕入れの軽トラが行き交っていました。
目的地の「安井金比羅宮」です。この神社は古くから縁切りの神社として有名で、HPの略縁起にも「悪い縁を切り、良縁を結ぶ」とあります。ここで言う「縁」とは必ずしも男女の縁に限らず、あらゆる「縁」を対象とするようです。しかもよく効くと評判です。ちなみに私の知り合いで、ここで良縁祈願したアラサー女子がほどなくして良縁に恵まれ結婚しています。
私は何回か来たことがあり、初めてではありませんでした。ここで普段よりお賽銭を奮発し、一年の災厄からの「縁切り」を念入りにお祈りして、職場に置く用のお守りも買いました。
嫁には昼過ぎに帰るとメールしていたので、少々の土産を買いこんで慌ただしく京都を後にしました。指定券に「全席禁煙」の印字がないように、この「のぞみ330号」は700系でした。今ではN700系でない「のぞみ」を探す方が難しいぐらいです。
京都滞在わずか3時間でしたが、私の中で1年の区切りをつけ、新しい年を迎える決意のできたイベントでもありました。もっとも、後で顛末を知った嫁には呆れられましたが…。
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