業平橋改め
最近よく東京スカイツリー(以下「スカイツリー」)の話題がニュースなどで報じされています。東京都墨田区押上にて4年の歳月をかけて建設が進められ、今年5月に開業する予定です。この場所は東武鉄道の所有地で、かつて貨物駅のあった跡地です。スカイツリーの事業主体は「東武タワースカイツリー株式会社」という会社で、東武が半分以上の株式を握っています。スカイツリーに賭ける東武の気合は相当なもので、同社のプレスリリースのかなりの割合をスカイツリー関連が占めます。
(業平橋駅駅名板)
スカイツリーの最寄駅は東武伊勢崎線・業平橋駅か東武など四社局が乗り入れる押上駅のいずれかとなります。スカイツリー開業に先立つ3月のダイヤ改正で両駅の駅名を変更することをが発表されています。
- 業平橋 → とうきょうスカイツリー
- 押上 → 押上(スカイツリー前)
「業平橋」の地名は伊勢物語の作者である在原業平が無官の時代に東国を漫遊し、隅田川の渡し船で歌を詠んだとされる故事から付けられています(街道や宿場の整備が進んでいない平安時代に貴族が諸国漫遊することができたのかは大いに疑問ですが…)。駅名としては昭和6年から使用されています。
東武のプレスリリースには改称理由について「東京スカイツリー®への玄関駅としての認知度向上とともに、業平橋・押上地区全体の活性化を目的として駅名改称することとしました。」とありましたが、それだったらなおさら押上と同じように副駅名に留めて「業平橋」を残した方が当地の認知度が上がって地区全体の活性化になるように思います。スカイツリーは東武にとって社運を賭けたプロジェクトかもしれませんが、80年近く使われてすっかり定着した駅名を消し去る変更は必要ないと思います。
私の趣味的に「業平橋」の痕跡を残すべく、中央線・藤野駅にあった撤去間近の「kaeruくん」で亀戸接続・東武亀戸線経由の連絡券を購入しました。
発券に時間を要していましたが、全体的にスムーズでした。藤野駅の「Kaeruくん」は2月13日で営業終了したようです。あくまで趣味的な観点ですが、「kaeruくん」では連絡運輸別表で調べた上で発売可能であればちゃんと発券してくれるのがよいところだったと思います。購入するだけではなくちゃんと使用し、「業平橋」の無効印もあります。
スカイツリーに行く沿線観光客のために、「業平橋」改め「とうきょうスカイツリー」駅にはこれまで通過していた特急「スペーシア」の一部列車が停車するようになるそうです。でも、なんで「東京スカイツリー」駅ではなく「とうきょうスカイツリー」駅なんでしょうね。わざわざ平仮名に変換することに何のメリットがあるのかわかりません。私の中では「さくらんぼ東根」と双璧を成すセンスの悪い駅名です。
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