十和田観光電鉄連絡券1
前から危ないと囁かれていましたが、先日十和田観光電鉄の廃止が正式に発表されてしまいました。直接的な原因は今後見込まれる老朽車両の置き換えと修繕費について、沿線自治体に対し補助金の増額を求めたところ拒否されたことです。地元でも「役目を終えた」という見方が大半で、存続を求める声はあまりなかったようです。
(十和田観光電鉄・三沢駅)
鉄道事業は少子化やモータリゼーションの進展により元々赤字だったうえに、十和田市の隣町の七戸町に東北新幹線・七戸十和田駅の開業し、十和田市から十和田観光電鉄を利用して三沢→八戸から新幹線を利用する客が減り、車で直接七戸十和田駅へ行って新幹線に乗り換えるが増えたという「新幹線の副作用」的な側面もありました。さらに鉄道事業の赤字を補っていたホテル・貸切バス事業も東日本大震災の影響の影響を受けて減収となり、赤字を補填する余力なくなりました。今までなんとか持ちこたえてきたのが、短い間に一気に悪材料が噴出してトドメを刺されてしまった感です。
私は9年前に初めて乗りました。この頃は終点の十和田市駅発着のみJR線(確か東北線・八戸~青森間)との連絡運輸の設定があり、こういった連絡券を購入することができました。三沢~十和田市間の運賃は570円で、これは今も変わっていません。廃線になるほどの経営難なのに値上げがなかったのが不思議です。
この時は平日の夕方だったため学生の利用が多く、運転士と乗客の女子高生が親しげに会話していて、古き良き時代のローカル線的な雰囲気を感じました。廃止は来年3月とのことですので、なくなるまえにもう一度は行ってみたいと思っています。
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