四尺玉号
◆種別:快速
◆区間:新潟~来迎寺
8月14日の夜。世間一般ではお盆休みの時期でしたが、私は徹夜の出勤でした。仕事中の私のオフィスには東京湾花火大会の炸裂音がドンドン響くのが聞こえていました。いつ終わるとも知れないトラブル対応をしながら、「今年の夏は花火を見れずに終わるのか_| ̄|○」とへこんでいました。
もっとも、私は首都圏の花火大会は混み過ぎて嫌なので、しばらく行っていません。ここ数年は地方の花火大会に遠征し、そこで花火を見るついでに少々鉄ヲタ活動もするというパターンになっています。今年こそは数年来の懸案である秋田県の大曲(大仙市)を片付けようとしましたが、帰りの新幹線が速攻で満席になったので諦めました。指定券はヤフオクに大量出品されていたものの、売れ行きはあまり芳しくなかったようです。
そこで9月の新潟県小千谷市の「片貝まつり」で打ち上げられる花火を見に行くことにしました。「片貝まつり」は浅原神社という神社の例大祭のことで、花火はその奉納煙火として打ち上げられるものです。よって、決して花火大会ではありません。例大祭に合わせるので曜日に関わらず毎年9月9・10日固定です。目玉は何といっても世界唯一かつ最大の四尺玉の花火です。
直径四尺=約121cmで、重さ420Kgという巨大な花火玉です。800m上空まで打ち上がり、夜空に直径800mの大輪を咲かせます。以前、煙火協会の関係者かなんかの人が「四尺玉は片貝から門外不出で、アラブの王族に大金を積まれても片貝以外では打ち上げない」と言っていたのを雑誌で読んだことがあります。その心意気や立派の一言です。そして、そこまで言うんだったらいつか見てみたいと漠然と思っていました。お盆返上で2日連続の徹夜勤だったので、9月の平日に一日ぐらい休暇を取るのはどうってことありませんでした。
「片貝まつり」に合わせて新潟~来迎寺間の往復で快速「四尺玉」号が運転されました。片貝は小千谷市ですが、地理的には隣町の長岡市(旧:越路町)に近いため、列車は来迎寺発着となっています。また、片貝にはかつて来迎寺~西小千谷間を結んだ国鉄魚沼線という路線が通っていて駅もありましたが、昭和59年に廃線となっています。最近まで片貝駅のホームの遺構が残っていたそうです。
車両はJR東日本新潟車両センターの485系でした。普段は特急「いなほ」や「北越」などで使われている車両です。6両のうち2両が指定席でした。指定席は「びゅう」のパックツアーの客がいましたが、乗車率はせいぜい半分弱でした。自由席もさほど混んでいませんでした。花火大会の後の最寄り駅は人が溢れるぐらい混みあって、きっぷを買うのも大変ですが、この日の来迎寺駅は6両編成1本で十分運びきれるほどの客数で、全然そんなことはありませんでした。
花火は19時半から始まり、四尺玉は22時に一発だけ打ち上げられます。四尺玉の後のスターマインがフィナーレになります。その間、延々3時間近く花火を楽しむことができ、多少首が痛くなりますが花火好きにはたまらないと思います。打ち上げ場所は山々に囲まれる地形のため、三尺玉以上の花火になると炸裂音が山に反響して体に響くぐらい伝わります。
四尺玉の打ち上げを手持ちのデジカメ(メイン機故障につき繋ぎの代替機)でビデオに撮ってみましたので、興味のある方はどうぞ。これを見て「なんだ大したことないじゃないか」と感じる方もいると思いますが、そういう方は来年でも再来年でもいいので9月9・10日に現地へ見に行ってみてください。
列車の写真は信越線・東三条駅で撮影したものです。
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