博多南線徒然
かつての人気番組「トリビアの泉」で「100円で新幹線に乗れるところがある」というトリビアがありました。それは博多南線のことを指していました。上越新幹線のガーラ湯沢支線は通年運行ではないため除外されたんでしょう。
博多南線は博多駅と博多総合車両所の回送線を利用した路線です。博多総合車両所のある那賀川町は福岡市中心部までバスが走っていましたが、1時間以上かかる上に遅延も常態化していました。そのため、国鉄時代から回送線の旅客化の要望が寄せられていました。
(博多南駅で発車を待つ0系)
それが実現したのはJR化された平成2年のことでした。回送線には博多南線という路線名が付き、新幹線車両を用いた在来線として運行されました。これは当時日本初の営業形態です。博多~博多南間を10分で結び、付近の利便性が向上しました。新幹線車両を使用するため特定(自由席)特急料金100円が設定されています。これは開業以来値上げされていません。大人100円という安さが補充券テロリストに悪用されていますが…。
ホーム長が8両対応なので、100系・500系・700系(ひかりレールスター編成)に限られます。一昨年までは上の写真のように0系も走っていました。博多駅に到着した列車がそのまま博多南行きの列車になることが多く、逆もまた然りです。
(博多南駅入口)
本来であれば回送線の所有者であるJR西日本が運営するのが自然ですが、国鉄改革法という法律で「九州内の在来線はJR九州が経営する」と定められていたため、列車の運行はJR西日本が、博多南駅の駅業務はJR九州が担当するという折衷案で決着しました。ただ、駅舎はJR西日本テイストになっていて、SUGOCAは利用できません。
(JR九州・券売機券)
(JR西日本・券売機券)
JR九州とJR西日本の博多駅の券売機で発売された特定特急券です。JR西日本のほうは薄くなってわかりにくいですが、注意書きの文言が微妙に異なっています。
【JR九州】
- 1回限り2日間有効
- 自由席車にお乗りください
【JR西日本】
- 2日間有効
- 同一列車の自由席に1回限り有効
結果的に大差はなく、言わんとすることはわかります。でも、フォーマットを使いまわしているとはいえ、一区間で乗換えする余地がないのにJR西日本の「同一列車の~」という部分はちょっとヘンな感じはしますが…。
(JR九州・マルス券)
こちらはJR九州の博多駅の「指定席券売機」で購入したものです。様式的には目新しくないですが、博多南線はJR西日本が運行しているため、(6-タ)と他社線扱いになっているのが特徴です。
博多南線関連はそれなりにネタが集まってきたので、これもまた追々ネタを仕込んでいく予定です。
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