SL人吉号
◆種別:普通
◆区間:熊本~人吉
今年の4月から熊本~人吉間で「SL人吉」が運転されています。JR九州では豊肥線の「あそBOY」以来約4年ぶりのSL運転とあって、九州の駅にはパンフレットがたくさん置いて相当気合を入れて宣伝しているのが窺えます。
牽引機関車は8620形蒸気機関車(通称:ハチロク)の58654号です。この機関車の付番方法は特殊で、8620、8621、8622と続き、8699の次は18620と万の位に1が付きます。その後18621、18622と番号が上がり、18699の次は28620となります。要は80進数の考え方です。何でこんな小難しい方法にしたのかは知る由もありませんが。
(鹿児島線・八代)
56854号は8620形の435両目として大正11年に製造され、長崎の浦上機関庫を皮切りに九州各地で活躍しました。昭和50年の湯前線(現:くま川鉄道)を最後に廃車となり、肥薩線・矢岳駅にある「人吉市SL展示館」に保存されていました。JRになった昭和63年に全面的に修復され、豊肥線の「あそBOY」で活躍しました。長く人気を博していましたが、老朽化や豊肥線の急勾配によって台枠や車軸に負担がかかり機関車に運行不能なほどのダメージを与えていました。そのため平成17年で運転終了となりました。
その後は機関車を廃車→静態保存される方向で話が進んでいましたが、九州新幹線全線開業に向けた肥薩線のテコ入れという経営方針もあり、復活させることとなりました。ボイラーや車軸を交換するなど2年に及ぶ大修復工事を経て今年4月25日に二度目の復活を果たしました。
(熊本駅)
客車は「あそBOY」で使用されていた50系客車を「SL人吉」向けに再度改造して供用されています。3両編成の両端は展望室になっていて、流れる景色を楽しむことができます。機関車・客車ともJR九州熊本車両センター所属です。
運転日は9月末までは金・土・日曜ですが、夏休み中は火曜日を除く毎日運転となります。博多からだと特急「リレーつばめ3号」(熊本着9:31)が便利です。また、後に出て新八代まで先回りする「リレーつばめ37号」(新八代10:20着)でもギリギリ間に合います。
熊本 新八代 八代 人吉
下り 9:41 → 10:26 → 10:32/10:40 → 12:13
上り 17:21 ← 16:40 ← 16:35/16:29 ← 14:39
九州のSLの指定券は北海道と同様に800円で、普通の指定券より割高になっています。こういう特殊な列車は多少割高でも許されると思います。SLの維持費の一部に使ってもらえれば幸いです。また、「2枚きっぷ」や「人吉・球磨フリーきっぷ」などの指定券交付枠は利用できません。誤発売が多いようなので注意が必要です。
人吉 吉松 隼人 鹿児島中央
いさぶろう3号 13:15 → 14:37
はやとの風3号 14:54 → 15:50 → 16:39
はやとの風2号 11:03 ← 10:02 ← 9:27
しんぺい2号 12:56 ← 11:42
話によると下りの方が取りにくいそうです。下りは人吉駅に到着してから「いさぶろう」→特急「はやとの風」との接続が良いですが、上りは繋がらなくはないものの中途半端に接続が良くないです。下りから「いさぶろう」や「はやとの風」に乗り継ぐ場合はそちらも併せて押さえておいたほうがいいです。特に土曜日は団体客の流入もあり、意外と侮れません。
既に2回乗りましたが、いずれも指定券は現地の人に頼んで1ヶ月前10時打ちを仕込んでもらい、取ることができました。取れやすさは全国どこで申し込んでもさほど変わらないと思いますが、九州の列車の指定券は九州で調達したいと常々思っているので無理言ってお願いしました。SL人吉オリジナルのスタンパーが捺されています。
ちなみに座席を指定買いできるのであれば奇数番がオススメです。肥薩線の川線は何と言っても球磨川の車窓風景が魅力ですが、奇数番の方が長く川沿いの景色を楽しめます。私が取ってもらった席は偶然奇数番で進行方向向きだったので、最高に恵まれました。
車掌のほかに客室乗務員がいて、飲み物や弁当などの車内販売があります。焼酎アイスがおいしかったです。また、売店やミニギャラリーコーナーもあって、車窓を眺める以外にも車内をブラブラしても楽しめるようになっています。
(肥薩線・一勝地)
写真は上から鹿児島線・八代、熊本、肥薩線・一勝地駅で撮影したものです。一勝地駅は向かい側のホームから編成がきれいに収まるので、純粋に列車を撮影したい場合は最適です。
コメント