2月限定企画
3月13日で廃止になる寝台特急「富士」ですが、下り列車の下松~大分間については寝台券は不要で、自由席特急券と同額の立席特急券のみで乗車できます。ただし、「立席」という名のとおり座席の指定がありません。上り列車については立席特急券の設定がなく、全区間で寝台券が必要です。
(別府駅の掲示)
JR九州では廃止が発表された直後の年末のプレスリリースで、今年2月の上り「富士」と「はやぶさ」の九州内一部区間について寝台券無しの指定席特急券で乗車できるようにすると発表しました。別府駅と大分駅の改札には掲示も出ていました。「富士」は大分→小倉間で「はやぶさ」は熊本→博多間です。
「富士」は6号車の1両が開放されました。指定席特急券なのでちゃんと座り位置は指定されていて、6号車の寝台には期間限定で座席を示すシールが貼られていました(クリックすると拡大します)。寝台の下段に3人ずつ座るようになっていて、定員は45人でした。小倉~東京間は普通にB寝台として発売されました。
連れを巻き添えにして大分からの帰りに乗ってきました。見てのとおり指のみ券ですが、これは「4枚きっぷ」と併用したものです。6号車の客はほとんどみな大分→小倉間の乗車だったので、「4枚きっぷ」利用者も多かったのではないかと思います。私が乗ったのは日曜日だったのでほとんど埋まっていましたが、土日以外はだいたい空席がありました。
本州内を乗務するJR西日本の車掌から聞いた話ですが、廃止を間近にして夜が明けた区間(名古屋以東)から寝台券を購入して乗ってくる客を見かけるそうです。それどころか熱海→横浜とか、静岡→沼津といった一駅や100Kmに満たない区間だけを乗る客までいるとか…。
寝台は座席と違って途中から(まで)別の人への再発売はしません。例えば熱海→横浜で寝台券を取ってしまうと、大分→熱海間は誰も使っていないのに別の人が利用することができず、空で走ることになります。どう楽しもうと勝手と言う人もいるでしょうが、その区間を純粋に移動したかった人もいるでしょうし、JRの得られるべき乗車券収入が減ってしまいます。私は好ましい利用方とは思えません。
JR九州のプレスリリースには「これを機に九州からなくなってしまうブルートレインを気軽に楽しめるように」という趣旨のことが書いてありました。閑散期の2月限定とはいえ、粋なサービスだと思います。それと九州内完結区間で寝台券を買われることのないよう先手を打った対策をしたのかなとも思いました。
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