「白山」の思ひ出
「999乗り放題きっぷ」で旅行していた時のことなので、もう9年も前の話になります。信越線・軽井沢駅から金沢行の特急「白山」に乗りました。早めに自由席の乗車位置に並んだ甲斐あり、通路側の席に首尾よく座ることができほっと一息ついていました。
しばらく(と言っても1分程度)して通路を挟んだ隣の席から視線を感じました。ふと見てみると偶然にも大学の実験で同じ班だった同級生の娘がこっちを見てました。彼女は軽井沢で私が乗ってきた時点で「そっくりな奴が乗ってきた」と思ったそうですが、「まさかこんなところにいるはずはない」とも思ったそうです。
ともあれかなりびっくりしました。彼女が出身の富山を深く愛していたのを知っていたので、秋休みに実家に帰るところだというのは想像できました。
同級生:「この電車もうすぐなくなるんだよね?」
私:「うん。今月で」
同:「(仙台から)富山まで乗換一回で帰れて便利だったのに…」
私:「帰省の時いつも乗ってんの?富山まで6時間も退屈しない?」
同:「そんなに。本たくさん読めるからいいよ。別に急がないし」
その他直前にあった試験や単位の話など他愛ない話をしていました。彼女は大宮~富山間の自由席特急券を持っていました。9月8日になっていましたが、帰省を1日延ばしたためそのまま使ったそうです。直後に廃止になる区間だったので、切符ヲタ的には見逃せないものでした。
私:「あのさ。頼みがあるんだけどさ」
同:「なに?」
私:「その特急券貰っといてくれない?富山の改札で頼んだらたぶん貰えるから」
同:「いいよ。忘れなかったらね」
私は予定通り戸倉駅で降り、彼女と別れました。そして10月の仙台。彼女は財布からこのきっぷを取り出して、
同:「これ貰ってきたよ」
私:「あ、ありがとう(汗」
と渡してくれました。ちゃんと覚えていてくれていました。実は頼んだ私のほうがすっかり忘れてしまっていたんですが…。
その後互いに進んだ学科が異なり、彼女とは疎遠になってしまいました。理系の割に物書きや読書が好きだった彼女は修士修了後、愛する富山で地元紙の記者になったというのを風の便りで聞きました。そんな学生時代の思い出(?)の一枚です。この頃には以前の記事で紹介した雷鳥のデザインの無効印は使われていないようでした。
今日は金沢~長野間で「リバイバル白山号」が運転されます。上野~横川間で運転されたことは何回かありましたが、金沢側からの運転は初めてじゃないでしょうか?碓氷峠で途切れているので全区間のリバイバル運転は無理ですが、せめて軽井沢まで運転して欲しかったなという感はします。
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