そよ風トレイン117号
◆種別:快速
◆区間:豊橋~中部天竜
JR東海では名古屋地区の117系の廃車を始めました。117系は昭和54年から製造され、関西地区の「新快速」で投入されました。最高速度110Kmの性能に転換クロスシートという、併走する私鉄特急(阪急・京阪)と遜色ない装備で人気を博しました。
(117系快速運用:飯田線・豊川)
名古屋地区には昭和57年から快速「東海ライナー」として投入されました。JR化されてからは東海道線の最速達列車の「新快速」として使用されましたが、平成11年の東海道線高速化(110Km→120Km)に伴って性能が追いつかなくなり一線を退きました。現在では主にラッシュ時の普通列車として使用されています。日中はあまり運用がないようで、豊橋駅構内や浜松運輸区の留置線に停泊しているのをよく見かけます。個人的には廃車にするぐらいならJR西日本に売ればいいと思うんですが…。
(「トレイン117」ロゴ)
それはさておき、JR東海ではそんな持て余し気味の117系1編成を昨年7月に「トレイン117」として改造し登場しました。117系ベースでは初の、JR東海としては久々のイベント用途のジョイフルトレインと言っていいと思います。
(ベンチシート)
(ウィンディスペース:外側)
(ビニール製の透明ブラインド)
「トレイン117」の一番の特徴は2号車の座席と網棚を撤去し、窓向きのベンチシートを設置したことです。ドアは開状態にしたまま柵を設置し、風が体感できる「ウィンディスペース」としました。また、窓も上段を開状態に固定して風が入るようにしてあります。悪天候時でも景色を損なわないよう、ビニール製の透明のブラインドに取り替えられています。2号車の座席は発売せず、誰でも自由に利用できるようになっていました。また、2号車のみ車体の帯の色が水色に変えられていました。
(改造ボックスシート)
その他の車両はクロスシート3列を1ボックスに改造しています。両端のシートの背もたれを固定し、真ん中のシートの背もたれを撤去した上で大型のテーブルを据え付け、ボックスシートっぽくなっています。定員は減りましたが、広々としたテーブルで足元に余裕があって快適です。車窓の景色を眺めながら家族で弁当を広げる…なんて旅もいいかもしれません。
昨年夏~秋の週末を中心に、その「トレイン117」を使った快速「そよ風トレイン117」号が飯田線の豊橋~中部天竜間で運転されました。飯田線の同区間では平成18年まで快速「トロッコファミリー」号が運転されており、トロッコ列車の需要がある程度見込める区間でもあります。「トロッコファミリー」号の機関車・客車とも運転終了後ほどなく廃車になってしまったので、こうした形で復活させたのかなと思いました。
指定は早い時期に押さえたので簡単に取れました。当日の乗車率は三連休初日で半分程度でした。この席は鳳来峡が見えないハズレ席でした。できれば偶数番を押さえることをお勧めします。私は鳳来峡が見えるあたりはウィンディスペースに移動して景色を楽しみました。あの柵は見た目は心もとないですが、けっこうしっかり取り付けられています。やはりこの列車の一番のウリである2号車に人が集中していました。ウィンディスペースはもう一両設定してみてはどうかと思うんですが、いかがなものでしょうか?
なお、無人駅や簡易委託駅で下車する場合は車掌がきっぷを回収しに来ます。指定券が欲しい旨を告げると、ポケットから豊橋運輸区の無効印を取り出して捺してくれました。この無効印に遭遇したのは二度目ですが、そんなものをわざわざ常備していたのが驚きでした。
写真は飯田線・三河大野駅で撮影したものです。なお、「そよ風トレイン117」は再来週末(4月23日)以降の土曜休日にまた運転される予定です。
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