水上
◆種別:特急
◆運転区間:上野~水上
昨年12月のJR東日本のダイヤ改正で私が驚いたのは1日4往復されていた特急「水上」の廃止・季節列車化でした。第三セクターへの移管や愛称の整理を除くと、平成19年の特急「東海」以来の特急列車の廃止だと思われます。ただし、「東海」の場合はJR東海から373系を借りて運転していたので、車両使用料の絡みもあったかもしれません。翻って「水上」は純粋に自社の車両を使って運転していました。それでも廃止にしたということはどうしようもなかったんだと思います。
(上越線・後閑)
定期運行終了後は週末を中心に1~2往復を季節列車として運転されています。車両は以前と変わらず185系で、上野~新前橋間は引き続き特急「草津」との併結で運転されています。
「水上」には何回か乗ったことがありましたが、全区間はなかったので定期運行終了前に乗ってきました。温泉客でソコソコ賑わう「草津」を尻目に、「水上」はガラガラでした。指定席には10人も乗っていませんでした。ちなみに季節列車化されてから1号の運転はありません。
私は特急料金の高さと所要時間が敗因の一つだと思います。新幹線と「水上」で運賃+特急料金と所要時間の比較をしてみました。新幹線は上野~上毛高原間で、「水上」は上野~水上間です。
運賃+特急料金 所要時間 本数
新幹線 5750円 1時間11分 下り21本・上り18本
「水上」 5130円 2時間21分 4往復
上毛高原駅から水上温泉へ行くにはバス(所要時間:23分、運賃:600円)に乗り換える必要があるので、単純な比較はできませんが、多少高くても所要時間が半分程度で本数が4倍以上もあれば新幹線を使う人の方が多いと思います。まぁJR東日本としても在来線から新幹線にシフトしてくれれば増収になりますから、「水上」を積極的に残す理由はなかったのかもしれません。
水上には近辺を含め複数の温泉や谷川岳など観光資源があります。上記のとおり列車のアクセスは便利で、関越自動車道のICは町内2か所(月夜野と水上)もあります。観光資源があってアクセスも良いので観光地として非常に恵まれていると思うんですが、それを活かし切れていないというか、環境の良さに甘えてより魅力的な観光地にする努力を怠ってきたように見えます。私自身、何回も水上に行ったことがありますが、列車から見える利根川沿いの旅館は廃墟のまま放置されたものが目立ち、観光地としていい印象はありません。
現在の水上駅改札口上にある発車案内板です(クリックすると拡大します)。新潟や大宮・上野へ行く中・長距離列車はなく、種別・列車名はすべて空欄で普通列車のみです。週末にSLの発着があるとはいえ、これまであった定期特急列車の発着がなくなってしまったのは観光地の駅としてやはり寂しいと思います。
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