Ｎ’ＥＸトクだ値３５

Ｎ’ＥＸトクだ値３５

　昨年１２月から「えきねっと」で特急「成田エクスプレス」の「トクだ値３５」（以下「Ｎ’ＥＸ」）が発売されています。平成２５年の１０～１１月のごく短い時期に「トクだ値５０」が設定されたことがありましたが、その時は東京都内各駅～成田空港の設定でした。

　今回の「トクだ値３５」は東京１８：２０発の「Ｎ’ＥＸ４０号」以降の下り列車の東京・品川～横浜・戸塚・大船間で、通勤客をターゲットにしています。かつて「N’ＥＸ料金４回券」という同じく通勤時間帯の下りのＮ’ＥＸを対象とした超やる気のないきっぷがありましたが、それを「えきねっと」に移行して再発売したような感じです。

　「Ｎ’ＥＸ料金４回券」の希少なヘビーユーザーだった立場からすると、品川からしか使えなかったこと、２５３系が特急車両の割に見劣りがしたこと、指定席券売機で座席位置の指定ができなかったことなど、コケたのはある意味必然でした。今回はその全てが改善されたので、これは面白い試みだと思いました。

　こちらがきっぷの現物です。乗車券部分がないためすっきりしています。Ｎ’ＥＸでは指定通りの席に座っていれば車内改札は省略されるので、このようなまったく使った痕跡のないきっぷになります。 

【Ｎ’ＥＸトクだ値３５の料金】

	乗車日	発売額
Ｎ’ＥＸトクだ値３５	繁忙期	９５０円
	通常期	８２０円
	閑散期	６９０円

　「トクだ値３５」というのは所定の特急料金の３５％引きなので、乗車日によって価格が変動します。その理屈は分からんでもないですが、通勤客にとって平日と休日はともかく、木曜と金曜で値段が違うのは理解しがたいんじゃないでしょうか。

【50Kmまでの普通列車のＢグリーン料金】

		発売額
平日料金	事前料金	７７０円
	車内料金	１０３０円
ホリデー料金 （土休日）	事前料金	５７０円
	車内料金	８３０円

　こちらは東京～大船間のＢグリーン料金の価格です。東海道線や横須賀線のグリーン車は自由席なので、帰宅時間帯は座れないことも多いです。グリーン券を買ってもデッキに立たざるを得ないことも普通にあります。

　「トクだ値３５」はＢグリーン券と価格差がほとんどなく、指定席で確実に座って帰れるのであれば選択肢としてはありだと思います。ただ、Ｂグリーン券はモバイルＳｕｉｃａに対応していて、チケットレスでも利用できます。「Ｎ’ＥＸトクだ値３５」は日々利用する通勤客向けですから、こちらもチケットレスに対応させてほしい感はあります。