富士山トレインみのぶ
◆種別:急行
◆区間:三島~身延
今年3月のダイヤ改正で急行「はまなす」が廃止になり、JRグループから定期急行列車がなくなりました。
JR東海管内を走る定期急行列車は平成20年に廃止された「銀河」が最後でした。その後は行楽用の臨時列車として年に数回設定されています。これまでの傾向から、JR東海では特急型車両を使用し特急列車より足が遅い臨時列車として「急行」の種別を使っているような感じです。
昨年10月3・4日に「徳川家康公顕彰400年祭」の関連企画として、三島~下部温泉間で急行「富士山トレインみのぶ」号が運転されました。かつて静岡・三島~甲府間を走っていた急行「富士川」が廃止されて以降、身延線の優等列車はみな静岡発着となっていましたが、久々に三島発着の列車が設定されました。
車両はJR東海静岡車両区の373系で3両編成の全車指定席でした。車両は特急「ふじかわ」と同じですが、上り列車が若干鈍足なためか急行列車の設定になっています。
(ワンポイントラッピング)
また、専用のヘッドマークはもちろんのこと、車体にはワンポイントラッピングが装飾され、シートカバーもこの列車専用のものが装着されていました。妙なところに気合が入っているような感じがしました。しかも、記念乗車証の配布まであったので、「家康公顕彰」などという雰囲気はなく、ほぼ鉄ヲタ列車と化していました。
きっぷはちょっと面白いことになっていました。373系のセミコンパートメントはちゃんと発売されていて、列車名が「富士山トレイみのぶ(コ」となっていました。字数が足りなくてトレインがトレイになっています。
さらに50Kmまでの急行料金は現在550円ですが、このきっぷでは320円になっています。7年前の記事でも紹介していますが、身延線の30Km以内の特急料金は特定料金が適用され320円です。下部温泉~内船間の営業キロは19.3Kmで、まさにこの範囲内です。急行料金が特急料金を超えるわけにはいかないので、急行料金にも特定料金(?)が適用されて320円になっています。
普通の座席の急行券の列車名はちゃんと「富士山トレインみのぶ」となっていました。このきっぷの着駅の吉原というのは岳南鉄道の接続駅としてご存じの方も多いと思いますが、かつては急行「東海」や「富士川」の停車駅でもありました。なぜ停車させたのかは分かりませんが、そういった過去の歴史も踏まえたのかなと考えたりもします。
この列車に乗っていて一番熱かったのは、私が乗った上り列車が富士宮駅の1番線に停車したことです。かつての富士宮駅は大石寺への参拝客で賑わい、各地からの団体列車が多く乗り入れました。中でも1番線は団体列車の発着によく使われたホームでした。
大石寺への参拝客のかなりの割合をS価学会が占めていましたが、日蓮正宗とS価学会との対立激化の果てに絶縁となると、団体列車はほとんどなくなり、1番線は使われなくなりました。普段は1番線へ下りる階段は封鎖されています。まさか1番線に入るとは思わず驚いた次第です。
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