富山行最終サンダーバード
北陸新幹線開業に伴い、金沢より東の北陸線は三社の第三セクター会社に移管されました。それに伴い、大阪~富山・魚津間で運転されていた特急「サンダーバード」は大阪~金沢間に短縮され、富山・魚津発着の「サンダーバード」は3月13日で終了となりました。(和倉温泉発着は1往復だけ残りました)。
以下のダイヤは大阪発最終の「サンダーバード45号」です。
大阪 金沢 高岡 富山
45号 20:56 →→→ 23:30 → 23:59着/0:00発 → 0:12
このダイヤを見て分かるとおり、高岡駅停車中に日付が変わっています。そのため、大阪駅3月13日発は高岡駅を3月14日0時ちょうどに発車します。3月14日はあいの風とやま鉄道の開業日なので、厳密にはあいの風とやま鉄道を「サンダーバード」が走ることになります。
おそらく3月14日発の高岡→富山間で列車検索してもエラーになると思ったので、乗車券・特急券ともどういう券が発券されるのか気になっていました。
これが購入した特急券です。普通にJRの通常期特急料金が適用されていますが、紛れもなく3月14日乗車になっています。発売初日の2月13日はマルスで発券できたそうですが、その日の夕方には制限がかかり、以後はこのように料金補充券(料補)で発券する運用となりました。
手順としてはいったんマルスで金沢~富山間の座席を指のみ券で確保し、その座席で高岡~富山間を料補で発券するという流れでした。そのため、金沢~高岡間も裏では座席が埋まった状態でした。
普段であれば高岡~富山間だけの指定席が満席になるようなことはないんですが、正規要件で容易に料補が購入できたので、それ狙いでこの区間の特急券を買ったと思われる同業者(?)が相当数いたようです。そのため、私が取った2週間前の時点で通路側席しか空きがなく、発車数日前にはなんとこの区間が満席になっていたそうです。
また、乗車券もこのようにJRのものがそのまま利用できました。発車は3月14日の0時ちょうどなので、その間にホームに入る必要があります。しかし、その時点ではあいの風とやま鉄道の券売機や窓口は稼働しておらず、JRの乗車券で乗らざるを得ませんでした。きっと「サンダーバード45号」乗車時にはJRの乗車券が利用できる何かしらの特例があったんだと思います。
こうして指定を買った以上、乗らないのは自分の流儀に反するのでわずか12分の指定席に乗ってきました。ちなみにこの乗車券の往路はこれまた金沢行き最終の特急「はくたか26号」でした。ちょうど富山~高岡間を最終列車(しかも指定席)で往復するという酔狂なことをしていました。
列車は数分遅れて到着しました。高岡からの指定は満席になっていたにも関わらず、実際の乗車率はせいぜい3割程度でした。普通の利用客もいたので、ほとんどが乗りもしない指定券を趣味目的で購入していたことになります。
「サンダーバード45号」の富山駅到着時の車内放送です。「雷鳥」「サンダーバード」の簡単な歴史とこれまでの利用に感謝するアナウンスとともに、明日からの金沢発の「サンダーバード」および北陸新幹線をこれからもよろしくお願いします…というものでした。文字には起こしませんので、ぜひ見てみてください。
これまでであれば富山駅に到着した「サンダーバード」は折り返しのため、東富山方の富山車両センターに引き上げていました。しかし、もう翌日富山駅を発車する「サンダーバード」はないので、到着後ほどなくして車掌を乗せて金沢総合車両所へ回送されていきました。向かい側のホームでは多くの報道陣がその様子を撮影していました。
この列車を最後に「サンダーバード」は富山乗り入れを終了しました。その結果、富山・高岡から列車かつ直通で大阪・京都へ行くことはできなくなりました。また、これまで朝一番の「サンダーバード2号」の富山発は4:56で、大阪には8:22に着けていました。それが今では富山朝一番に乗っても金沢発3番目の「サンダーバード6号」にしか接続できず、大阪着は9:25と約1時間遅くなり不便になったという声も聞かれます。
在来線特急がなくなり新幹線もない高岡駅は目に見えて人の往来が減っています。富山では東京まで直通できる新幹線は歓迎だけど、だからと言って京都や大阪へ行く「サンダーバード」がなくなるのは困るという人が大半だと思います。それぞれに思惑はあったかと思いますが、JR西日本も富山県も利用客の利便性を考えてもう少しいいアイデアを出せなかったのかなと今さらのように感じます。
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